女優の藤村志保(ふじむら・しほ、本名・静永操=しずなか・みさお)さんが12日に肺炎のため死去したことが19日、分かった。86歳だった。藤村さんの所属事務所関係者がスポーツ報知の取材に応じ「12日に都内の入院先で家族に看取られました」と明かした。葬儀はすでに近親者で執り行った。
同関係者によると藤村さんは先月末に転倒したことをきっかけに病院を受診し、検査入院。その後は体調不良なども重なり、今月12日に入院先の都内病院で肺炎のため死去したという。最期の様子を「ご主人やめいっ子さんら家族に看取られ、安らかに息を引き取りました」と語った。
また、晩年の様子について「圧迫骨折など骨折が度重なっていた」という。遺作は2014年NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」。藤村さんは同作ナレーションを担当していたが、背骨を圧迫骨折したことで病院から「絶対安静」とされ、同作を途中降板していた。そのまま女優復帰がかなうことはなかった。
藤村さんは、1939年1月3日、神奈川県生まれ。61年に大映京都撮影所演技研究所に入所し、62年に映画「破戒」でデビュー。芸名は原作者・島崎藤村とヒロインの名前から命名された。映画、テレビ、舞台、日本舞踊に活躍。65年NHK大河ドラマ「太閤記」では、豊臣秀吉の正室・ねね役を好演。著書「脳死をこえて」が85年の読売女性ヒューマンドキュメンタリー大賞を受賞した。
報知新聞社