「2025年7月に日本で大地震が起き、巨大な津波が日本に押し寄せる」という言説が、SNSや動画サイトを中心に広く拡散しています。この予測に対して、不安を感じる声が多く聞かれる一方で、「根拠はあるのか」「デマではないか」と疑問視する意見も出ています。結論から述べると、現在拡散している「2025年7月 日本で大地震」という特定の時期と場所を pinpoint した予測には、科学的な根拠がありません。気象庁も、現在の科学的知見では、日時と場所を特定した地震の予測は困難であるとの見解を示しています。
「2025年7月 大地震」説の拡散とその根拠の検証
この「2025年7月 大地震」に関する言説は、X（旧Twitter）、TikTok、YouTubeといった様々なオンラインプラットフォームで急速に広まっています。多くのユーザーがこの情報に触れ、「本当になるのか」「怖い」といった反応を示していますが、中には「いつ起きても対応できるよう準備しておくことが重要だ」と冷静な視点を示すコメントも見られます。
この特定の予測が広まるきっかけとなったのは、たつき諒氏による漫画「私が見た未来 完全版」であると考えられています。この漫画は、作者が見たとされる予知夢の記録である夢日記の形式をとっており、1999年に刊行されました。東日本大震災を予言していたとも言われ、後に再び注目を集めました。
噂の発端は漫画「私が見た未来 完全版」
「私が見た未来 完全版」の第一部である「予知夢編」には、たつき氏が過去に見た夢の内容として、具体的な記述があります。それによると、「災難が起こるのは、2025年7月」であり、「日本とフィリピンの中間あたりの海底がボコンと破裂（噴火）した」結果、「海面では大きな波が四方八方に広がって、太平洋周辺の国に大津波が押し寄せ」、「津波の高さは、東日本大震災の3倍」にもなると描かれています。
たつき諒氏の漫画「私が見た未来 完全版」の表紙イメージ。2025年7月の地震予言に関する話題と共に拡散されている。
このように、現在拡散している「2025年7月に日本で大災害（巨大地震と津波）が起きる」という情報は、この漫画に描かれた予知夢の内容が基になっています。
科学的予測の限界と信頼できる情報源
地震予知の研究は世界中で続けられていますが、残念ながら、現代の科学技術をもってしても、いつ、どこで、どの程度の規模の地震が発生するかを正確に予測することは極めて困難です。気象庁をはじめとする公的な機関は、現在の科学的知見に基づき、地震発生の長期的な確率評価や、緊急地震速報のような直前の揺れを知らせるシステム、津波警報・注意報といった情報提供を行っています。
漫画や個人の予知夢に基づいた予測は、エンターテイメントや個人の記録としては存在し得ますが、これらは科学的な根拠に基づくものではなく、公的な機関が発表する信頼できる情報とは明確に区別されるべきです。
結論として、「2025年7月に日本で大地震が発生する」という特定の予測は、科学的根拠に基づかない情報が拡散したものです。地震はいつどこで発生するかわからない自然現象であり、特定の予測に惑わされることなく、日頃からの災害への備えを進めることが、何よりも重要です。地震に関する正確な情報や防災対策については、気象庁や自治体などの公的な機関が提供する情報を参照するようにしましょう。
参考資料
- ニュース報道やSNS上の情報分析に基づく
