田原総一朗氏「死んでしまえ」発言が波紋:ジャーナリストとしてのメディア露出は潮時か?

長年にわたり日本のジャーナリズムを牽引してきた田原総一朗氏(91)が、討論番組での問題発言により世間の厳しい批判に晒されています。「もう自制が効いていない」「永久追放レベル」といった声がSNS上で飛び交い、彼のメディアにおける役割について疑問が投げかけられています。この度、特に注目を集めたのは、BS朝日放送の討論番組『激論!クロスファイア』における発言でした。

『激論!クロスファイア』での問題発言とその背景

問題の発端となったのは、自民党と日本維新の会が連立政権樹立に合意する直前の19日に放送された『激論!クロスファイア』でした。番組には自民党の片山さつき氏、立憲民主党の辻元清美氏、社民党の福島瑞穂氏がゲスト出演し、高市早苗自民党総裁が将来的に首相に就任した場合の政権運営について議論が展開されました。

辻元氏と福島氏は、高市氏が保守的なイデオロギーだけでなく、バランスの取れた包摂的な政権を担うべきだと主張。特に福島氏は、高市氏の「ジェンダー平等に後ろ向き」な姿勢を指摘し、選択的夫婦別姓法案への賛成を求めました。その最中、司会を務めていた田原氏が辻元氏と福島氏に対し「(高市氏に)反対すればいいじゃん」と提言し、さらに衝撃的な言葉を続けたのです。「あんな奴は死んでしまえと言えばいい」。この発言に対し、田原氏はニヤリと笑みを浮かべましたが、福島氏が即座に「それは絶対に……」と制止し、辻元氏も「田原さん、そんな発言して高市さんと揉めてたでしょ、前も」と牽制するなど、スタジオは騒然としました。

ジャーナリスト田原総一朗氏が討論番組に出演し発言する様子ジャーナリスト田原総一朗氏が討論番組に出演し発言する様子

この“暴言”はすぐさま波紋を広げ、Yahoo!ニュースでは批判的なコメントが6000件以上殺到。X(旧Twitter)でも冒頭に挙げたような「引退勧告」の声が相次ぎました。また、この番組内では、まだ行われていない国政選挙について野党が「高市自民党に負けた」と話すなど、田原氏の発言に不安定な場面が見受けられました。

世論の厳しい反応と過去の「暴言」歴

田原氏への「引退勧告」が噴出するのは、今回が初めてではありません。近年、彼の“傍若無人”な振る舞いは度々メディアで報じられ、批判を集めています。

例えば、2023年10月に放送された田原氏がMCを務める長寿番組『朝まで生テレビ!』(BS朝日)での出来事です。国民民主党の玉木雄一郎代表(56)が大学の研究開発費削減について指摘している最中、田原氏は「そういう難しいことはともかく……」と発言を遮ろうとし、続けて「うるさい!黙れ!」「黙れ!」と連呼。

さらに2024年7月には、『Abema Prime』の特番に出演した際、ゲストであるにもかかわらずMCのように他の出演者に見解を求める場面がありました。これに対し実業家のひろゆき氏(48)が注意すると、田原氏は「違うよ!バカヤロー!黙れ!」と机を叩いて激昂。その後も、他の出演者の発言を遮ったことを咎められると、「違う!うるさい!うるさい!」とまさに“大暴れ”とも言える言動を繰り返しました。これらの行動は当時も多くの批判を招き、「引退なさったほうがよろしいのでは」といった声が上がっていました。

ジャーナリスト田原総一朗氏の功績と「潮時」論

1977年に東京12チャンネル(現・テレビ東京)を退社して以降、ジャーナリストとして常に最前線でメディア界を切り開いてきた田原氏。彼のMCスタイルは、「空気を読まない」積極的な問いかけで、丁々発止の討論を演出する実績を築き上げてきました。しかし、テレビ誌ライターは「その心構えは今も変わらないようですが、ここ数年の田原氏は相手の発言を遮り、話の腰を折ってしまう場面や暴言が目立ちます。MCとして番組を仕切ることすらままならないようでは、視聴者としてもフラストレーションが溜まるばかりでしょう」と指摘しています。

田原氏自身は「現役バリバリ」のジャーナリストとしてテレビに出続けることを望んでいるようですが、度重なる問題発言や制御不能な振る舞いは、視聴者からの信頼を失いかねません。世間では「潮時」との見方が年々強まっており、長年の功績を持つジャーナリストのメディアにおける役割と、その終焉について、改めて考えさせられる事態となっています。

参考文献