2025年版:世界の有給休暇日数ランキング – 日本と比較し、最も寛大な国は?

休暇は心身のリフレッシュと新たな知見を得るための貴重な時間を提供しますが、すべての企業が十分に寛大な有給休暇制度を提供しているわけではありません。しかし、多くの国では国民に年間一定日数の有給休暇を付与する法律が存在し、労働者の権利を保障しています。世界各国の有給休暇日数は驚くほど多様であり、この違いはそれぞれの国の労働環境や文化を反映しています。

人事管理を手がける英国のムーアペイ社は、世界187カ国の法定年次有給休暇と祝日を詳細に分析し、2025年に労働者が享受できる有給休暇の合計日数と、それが実質的にどれほどの金銭的価値を持つかを明らかにしました。この調査は、世界における労働者の権利と福利厚生の実態を浮き彫りにしています。

ムーアペイの調査結果:世界の有給休暇ランキング

ムーアペイ社は、各国の政府公式サイトから法定年次有給休暇と祝日に関する情報を収集しました。公平な比較を可能にするため、一部の国で「暦日」として報告されている休暇については、週5日勤務を仮定してすべてを労働日数に換算しています。さらに、世界銀行の公式サイトで公開されている各国のドル建て調整済み1人当たり純所得を用いることで、有給休暇の合計が平均してどのくらいの金銭的価値を持つのかを算出しました。これにより、単なる日数だけでなく、その経済的価値も考慮した比較が可能となっています。

世界で最も有給休暇が多い国々

調査結果によると、世界で最も多くの有給休暇が付与される国はイエメンで、年間46日という圧倒的な日数を誇ります。これは、30日の法定年次有給休暇と16日の祝日から構成されています。次いでリビアが45日、バーレーンが44日と続き、中東諸国が高い水準にあることが示されました。

ヨーロッパに目を向けると、オーストリアが有給休暇日数43日で首位に立っています。内訳は法定年次有給休暇30日と祝日13日です。モナコが42日でこれに続き、フランス、スウェーデン、アイスランド、フィンランド、イタリアといった国々でも年間35日以上の有給休暇が認められています。これらのデータは、ヨーロッパが旅行の機会に恵まれ、仕事と生活のバランスを重視する拠点であることを強く示唆しています。

世界各国の有給休暇制度を比較するビジネスパーソンをイメージした画像世界各国の有給休暇制度を比較するビジネスパーソンをイメージした画像

世界で最も有給休暇が少ない国:米国

一方で、世界で最も有給休暇が少ない国として際立っているのは米国です。この報告書において、米連邦法は国民に法定年次有給休暇を義務付けていない唯一の国であることが明らかになりました。米連邦法では、労働者が1日の休暇や祝日に対して賃金を受け取ることを義務付けておらず、米労働省も「公正労働基準法(FLSA)は、休暇や休日(連邦政府によるものか否かを問わず)など、実際に労働していない時間に対する支払いを義務付けていない」と説明しています。米国における有給休暇は、一般的に雇用主と従業員との間の合意事項として、福利厚生の一部と見なされています。

結論

ムーアペイ社の調査は、世界の国々における有給休暇の制度が大きく異なることを明確に示しました。労働者が享受できる休暇の多寡は、その国の法制度、経済状況、そして労働文化に深く根ざしています。イエメンやオーストリアのような国々が豊富な休暇を提供し、仕事と生活の調和を重視する一方で、米国のように法定の有給休暇がない国も存在します。この国際比較は、労働者の権利と福利厚生に対する各国の異なるアプローチを理解する上で非常に重要な洞察を提供します。