20日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」は、冒頭で同局がタレントの国分太一氏（50）について、コンプライアンス上の問題行為が「複数」確認されたと公表し、レギュラー出演する「ザ！鉄腕！ＤＡＳＨ！！」（日曜・午後7時）からの降板を発表した件を速報した。日本テレビは、企業としてコンプライアンスを重視する姿勢を示しつつ、この問題への対応を進めている。
コンプライアンス違反で降板が発表された国分太一氏
問題行為の詳細と説明の制約
日本テレビは今回公表した問題行為について「複数」あったとしている。しかし、その具体的な詳細に関しては、「プライバシー等の観点から配慮すべき点が多く、説明を控えさせていただきます」との立場を取っている。このため、どのような種類の問題行為であったのか、その内容は一切明らかにされていない状況だ。この説明の制約が、様々な憶測を生む要因となっている。
福田社長の会見と専門家の分析
同日午後、日本テレビ社内で行われた福田博之代表取締役社長の会見の映像を見た「情報ライブ ミヤネ屋」の宮根誠司キャスターは、番組に出演していた亀井正貴弁護士に意見を求めた。宮根氏は、福田社長の会見が「プライバシーの事案のためにお答えできない」という説明に終始したことについて、亀井弁護士の見解を尋ねた。
亀井弁護士はこれに対し、日本テレビが「刑法犯ではない」と言及していた点を踏まえつつ、次のように分析した。「刑法犯でなくても特別な法違反はあるのか、どうか。大概の場合は刑法犯の可能性が普通は考えられるので」。続けて、一般的に企業で問題となる不祥事の種類として、「クスリか、カネか、性的なものか、暴力的なものか、大体、この辺のジャンルなんですよ」と解説した。
宮根キャスターが「セクハラ？ パワハラ？ それか薬物、お金、そういうことが想起できるってことですか？」と具体的に問い返すと、亀井弁護士は「大体、加害者、被害者がいるような事案なのか、それじゃなかったら薬物系なのかってのが一般なんだけど、条件の設定の仕方がこの会見では分からないので、どこまでの限定をしているのかってのが分かりにくいですね」と応じ、情報が限られていることの難しさを指摘した。
さらに亀井弁護士は、今回のケースには「企業としての責任、企業として広報すべきものかどうかという問題とプライバシーということの重さがどうかという絡み」があると説明した。そして、「取締役会で決定してるから、かつ即日でダメだと言ってるわけですから、相当のコンプラ違反はあると思うんですよね」と、決定の速さや主体からコンプライアンス違反の程度が軽くないことを推測した。しかし、「コンプラ違反があるけれども被害者的なものがないとかいう事案になってくると非常に制約されてくるのでなかなか想起しにくい事案ですね」とも述べ、被害者の有無など事案の性質によって、公表の範囲が制約され、内容が分かりにくくなっている可能性に言及した。
まとめ
日本テレビは、タレントの国分太一氏に複数のコンプライアンス違反行為があったとして、「ザ！鉄腕！ＤＡＳＨ！！」からの降板を発表した。しかし、具体的な問題行為の内容はプライバシーを理由に公表されていない。専門家は、刑法犯ではないとしながらも、一般的に考えられる不祥事のジャンルや、即時の降板決定という対応から違反の深刻さを推測しつつ、プライバシーとの兼ね合いで詳細が不明確であることの難しさを指摘している。今後の続報が待たれる状況だ。
