平成30年分の政治資金収支報告書で自民党7派閥の収入を比べたところ、麻生太郎副総理兼財務相が率いる「志公会」が3億4126万円を集め首位となった。29年から約2億円増。石破派「水月会」は1億3189万円で、29年の8088万円から大幅に増加した。9月の党総裁選をめぐり、会長を務める石破茂元幹事長の立候補に備え、活動資金を確保する狙いがあったようだ。
麻生派が収入を伸ばした背景に、29年の山東派などとの合流による勢力拡大があるとみられる。
石破派は29年、特定パーティーと呼ばれる収入1千万円以上の政治資金パーティーを東京で1度開いた。30年は東京に加え、大阪でも実施し、29年より2827万円多い8303万円を得た。これが収入額を押し上げる要因の一つとなった。
麻生派に次ぐ2位は、安倍晋三首相の出身派閥で最大規模の細田派「清和政策研究会」。29年から2309万円増え、2億9462万円だった。
3位は二階派「志帥会」で2億6715万円。岸田派「宏池政策研究会」(2億2777万円)、竹下派「平成研究会」(1億8064万円)、石破派、石原派「近未来政治研究会」(4462万円)と続いた。岸田、石原両派は29年より減少した。
いずれの派閥も、主な収入源は特定パーティーだった。麻生、細田、二階の上位3派閥が1回の開催で2億円以上を集めた。