停止線の「かなり手前」で停車する理由
交差点で信号待ちする場合、その手前に引かれた「停止線」より後ろで停止しなければなりません。
【画像】「えぇぇぇ!?」これが信号で「謎にスペース空けまくる」停止車両です(17枚)
とはいえ、停止線から「かなり離れた手前」で停止して信号待ちする人も多いようです。一体なぜなのでしょうか。
停止線は信号の手前だけでなく、一時停止が必要な場所にも設置されます。交差点などの安全を考慮して設置されているため、停止する場合はこの線を過ぎてはいけません。
この線は「車両のいかなる部分でもその線を越えて停止してはならないことを示す標示」と定められており、「タイヤに合わせればいいや」という停まり方もNGで、あくまで車両の最前方が線を越えないようにすべきとなっています。
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さてSNSなどではこの停止線に関し、「不必要に停止線からスペースを空けて、かなり手前で止まっている」ドライバーに対する意見があり、たびたび議論になっています。
実際に見かけた人も、SNS上で「中途半端に距離を空けている人。あれ何の意味があるの?」「停止線にキッチリ止まらずに開けてるの意味不明」「なんで停止線の手前で止まるクルマがいるのか」などと投稿するなど、疑問や不満が渦巻いているようです。
いっぽうで、逆に「周りが見えている人は運転がうまいと思う」というコメントもあるようです。そうした意見を持つ人にとっては「前方から来るクルマに配慮している行為」「状況に応じて距離を空けている」という見方があるようです。
そもそもこうしたスペースを空けて停止するドライバーは、どんな心理なのでしょうか。
自動車安全運転センターの担当者は、以前の取材に対し「万が一後ろから追突された場合など、前方に余裕を持って停止していれば、さらなる事故を防ぐことにも繋がるなどが想定されます」と話します。
特に雪道や坂道などの極めて特殊な状況であれば、スリップして思わぬ前進をしてしまうことを見越して、かなり手前で停まろうとするアクションは、安全のために心理的に理解できるとしています。
「また交差点でトラックなどの大型車両が曲がって侵入する際に、車体の長さから大きな回転半径を必要とします。
状況にもよりますが、道幅が狭かったりすると、対向の大型車両が曲がりきれない場合もあるので、あらかじめ前のスペースを空けて曲がりやすくしてあげるという配慮もあるのでしょう」(同担当者)