白昼の路上で6人を殺傷し、人質女性の背中を何度も包丁で傷つけ…身勝手極まりない殺人鬼「川俣軍司」が“ブリーフ姿”で連行された意外な理由


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機動隊にポンプ車も

 Xさんは川俣にいきなり首すじをつかまれ、中華料理店の奥にある八畳間に連れ込まれた。男の人が「離せ!」と追いかけてきたが、川俣は「来ると殺すぞ! 帰れ!」と追い払い、引きずるようにしてXさんを店内に入れた。

 川俣はXさんの首に包丁をつきつけながら、「人を殺してきた」と言い、すぐに「テレビをつけろ」と命令した。事件を伝えるニュースを見るため、チャンネルを次々と変えさせた。川俣は番組を食い入るように見つめていたという。また窓や入口にカギをかけさせ、窓側のタンスの近くに陣取った。午後1時すぎ、「死者2人」のテロップが出ると「やった」と唸り声をあげ、さらに同2時過ぎに「3人」、同4時過ぎには「4人」と、犠牲者の数が伝えられると、川俣はこう叫んだ。

「もう、何人殺しても同じだ!」

 また、これまでに勤務したすし店などの名前をXさんに書かせて、そのメモを八畳間の外にいる捜査員に投げ渡した。店をクビになった恨みを言い、「(経営者の)夫婦でここに来い!」と要求した。

 元警視庁捜査員によると、人質立てこもり事件の一番の難点は、現場周辺の住民や、取材に訪れるマスコミ関係者など、「衆人環視」の中で進行することだという。事件当日は水曜日の正午前。現場は商店街の一角であり、大勢の野次馬が現場を取り巻いた。

 警視庁は捜査第一課だけでなく、野次馬の整理にあたるため、機動隊二個中隊を現場に派遣した。さらに、消火器5本に加え、午後1時過ぎには深川消防署からポンプ車も出動、放水準備をして待機した。その理由は、川俣が店内でこう叫んでいたからだった。

「近づくと女を殺すぞ。オレも死ぬ。放火してやる!」



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