2025年4月1日から、自転車の交通違反に対する新たな取り締まりとして「青切符」制度が導入されます。これにより、比較的軽微な違反であっても反則金が科されるようになります。既に反則金額も定められており、携帯電話を使用しながら自転車を運転する、いわゆる「ながら運転」には1万2000円、信号無視には6000円などの反則金が適用されることが決定しました。
自転車への「青切符」導入とその背景
「青切符」制度は、自動車やバイクと同様に、軽微な交通違反に対して反則金の納付を求めることで、刑事罰を免れることができる仕組みです。これまでの自転車の交通違反取り締まりは、酒気帯び運転や酒酔い運転のような特に悪質で重大なケースに限定され、「赤切符」（告知票）が交付され刑事罰の対象となっていました。しかし、それ以外の多くの違反行為については、事実上見過ごされるケースが多い状況でした。今回の道路交通法改正により、自転車の危険な運転行為を減らし、交通事故を抑制するため、2025年4月からは自転車も青切符による取り締まりの対象となり、これまで以上に幅広い違反行為が厳格にチェックされる見込みです。
MBSニュースのスタジオで自転車青切符制度について伝えるアナウンサー
対象となる違反行為と主な反則金一覧
自転車の青切符制度の対象となるのは、施行日時点で16歳以上の運転者です。これは、原動機付自転車の運転免許を取得できる年齢であり、ある程度の交通ルールに関する知識や責任能力があると考えられるためです。青切符の対象となる主な違反行為とそれぞれの反則金は以下の通りです。（全113項目の違反行為が対象とされています）
- 1万2000円
- スマートフォンや携帯電話などを操作・注視しながら運転する「ながら運転」
- 9000円
- 「放置駐車違反」（自転車から離れてすぐに運転できない状態にする行為）
- 6000円
- 「信号無視」
- 「通行禁止違反」
- 「歩行者用道路徐行違反」
- 「遮断踏切立入り」
- 「指定場所一時不停止等」
- 「一方通行違反」
- 「整備不良」
- 「通行区分違反」
- 「専用通行帯違反」
- 「指定通行区分違反」
- 「軌道敷内違反」
- 「横断歩道のない交差点における義務違反」
- 「待ち行列侵害」
- 5000円
- 「無灯火運転」
- 「一時不停止」
- 「ブレーキ不良」
- 「通行方法違反」（右側通行など）
- 「歩道通行時の義務違反」（歩行者妨害など）
- 「傘差し運転など視野妨害、安定操作義務違反」
- 「高音でカーラジオ等を聞くなど安全運転義務違反」（イヤホン着用で周囲の音が聞こえない場合など）
- 3000円
- 「二人乗り」（幼児用座席を除く）
- 「並進可の標識がない道路での並列走行」
- 「幼児二人同乗車以外の自転車での幼児二人同乗」
- 「荷物の積載制限違反」
- 「制動装置不備」
- 「立ち漕ぎ運転」
自転車厳罰化に対する街の声
今回の自転車の交通ルール厳罰化について、街では様々な意見が聞かれました。「ながらスマホ運転」に対する1万2000円の反則金については、「妥当な金額だと思う」「もっと高くてもいいくらい」といった賛成意見があり、危険な運転行為の抑止効果に期待する声が多く聞かれました。一方で、反則金額の妥当性や、実際にどのように運用されていくのかなど、今後も様々な観点からの議論が交わされることが予想されます。
まとめ：自転車利用者への影響と今後の注目点
2025年4月からの自転車青切符制度の導入は、自転車運転における安全意識の向上を目的とした重要な法改正です。これまで摘発が難しかった軽微な違反も取り締まりの対象となることで、自転車利用者にはより一層の交通ルール遵守が求められます。16歳以上の幅広い層が対象となり、多岐にわたる違反行為に反則金が科されるため、自転車を利用する際は、改めて交通ルールを確認し、安全運転を心がけることが重要です。今後、この制度がどのように運用され、自転車事故の減少にどの程度貢献するのかが注目されます。
