神奈川県横須賀市根岸町のファミリーレストラン『デニーズ北久里浜店』で6月7日午後4時40分ごろ、店舗に軽乗用車が突っ込む建造物損壊事件が発生しました。この衝撃的な出来事は、単なる交通事故ではなく、店側とのトラブルを背景にした意図的な犯行として捜査が進められています。
事件の詳細と逮捕の経緯
事件を起こしたのは、客として来店していた横浜市在住の57歳の女性です。女性は事件前に店舗側と何らかのトラブルになっており、事態を重く見た店の関係者から警察に通報が入っていました。警察官が現場に到着した直後、女性は運転していた軽乗用車を急発進させ、店舗に突っ込みました。この行為により、女性は現場で建造物損壊の疑いで現行犯逮捕されました。女性は取り調べに対し、「店を壊すつもりで車をぶつけた」と容疑を認める供述をしているとのことです。
店舗の被害状況と負傷者
店舗は外壁や窓ガラスが大きく損傷しました。この突入により、店内にいた50代から70代の男女3人が軽傷を負っています。事件発生から3日後に店舗を訪れると、営業は再開されていましたが、建物の外壁には亀裂が残り、車両の衝撃で「ぐにゃり」と曲がったとみられる金属製のアーチ形車止めが脇に置かれており、被害の大きさを物語っていました。店舗責任者に話を聞こうとしましたが、不在であり、後日「いっさい口外することができません」との回答がありました。
デニーズ北久里浜店に車が突っ込んだ事件後、営業を再開した店舗の外観
目撃された犯行直前の異常な言動
事件直前、女性の奇異な行動が複数の目撃者によって証言されています。駅近くの商店で働く女性によると、女性は店でのトラブルの直後とみられる時間帯に、駅前まで歩いてきて金切り声でわめいていたといいます。興奮しており、何を言っているかほとんど聞き取れなかったものの、「走っても怒られる…、歩いても怒られる…、何しても怒られる!」と繰り返し、さらに店の方向を向いて「こんな店××してやる!」と叫んでいたと証言されています。この証言は、女性の犯行の動機が、店舗との深刻なトラブル、あるいはカスタマーハラスメントの末の逆恨みである可能性を示唆しています。
逮捕時の様子についても目撃情報があり、女性は細身で身長が高く、ベリーショートで男性のように見える髪形をしていました。クリーム色のキャップをかぶり、首にはアウトドア用ハットをぶら下げ、肩にはカラフルなリュックを背負っていたとのことです。車で突入した後も、警察官に取り押さえられようとした際に手足をバタつかせるなど激しく抵抗し、最終的には4、5人の警察官によってパトカーの後部座席に押し込まれるようにして乗せられたといいます。事件発生後には3台のパトカーが駆けつけ、歩道は野次馬で通行できないほどの人だかりができていたそうです。
今後の焦点
今回の事件は、店舗と客との間のトラブルがエスカレートし、凄惨な結果を招いた可能性が高い状況です。女性がなぜそこまで激昂したのか、トラブルの具体的な内容は何だったのかなど、動機の詳細については今後の警察の捜査の進展が待たれます。近年社会問題化しているカスタマーハラスメントとの関連性も含め、真相の解明が求められています。
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