東京都議会議員選挙が6月22日に投開票が行われました。注目の結果は、小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が31議席を獲得し第1党となりました。一方、自民党は過去最低となる21議席に落ち込み、第1党から転落する歴史的な惨敗を喫しました。連立を組む公明党も9回連続の全員当選を逃しましたが、都民ファースト、自民党、公明党のいわゆる「知事与党」は過半数を維持しました。また、国民民主党と参政党が初の議席を獲得し存在感を示した一方、石丸伸二氏率いる「再生の道」は議席ゼロに終わりました。この都議選は、目前に控える参議院選挙の前哨戦として大きな注目を集めており、各党の参院選への影響に関する見解が注目されています。
東京都議選で過去最低の議席数に終わった自民党都連の選挙対策本部。落胆した関係者の様子。
自民党幹部「参院選に直結しない」
今回の都議選は、12年ぶりに都議選と参議院選挙が「同時実施」となる選挙戦となりました。過去には、12年前の自民党圧勝や36年前の社会党躍進がその後の参院選に影響を与えた歴史があります。自民党の木原誠二選挙対策委員長は、今回の惨敗について敗因分析を進める中で、出口調査で「政治とカネの問題を重視した」という都民が多かった点を重く受け止めるとしました。しかし、参院選への影響については、「都議選の結果が、参院選に直結するものではない。都議会と国政は全く違うもので、参院選は国政の行く末を決める非常に重要な選挙であり、しっかりと戦っていく」と述べ、都議選の結果が国政選挙に直接的な影響を与えないとの認識を示しました。
公明党代表、反省と参院選への決意
連立与党である公明党は、目標としていた9回連続の全員当選を逃す結果となりました。公明党の斉藤鉄夫代表は、この結果について「党側の努力不足に尽きる」と反省の弁を述べました。その上で、参院選に向けては、「減税や給付などの物価高対策や経済対策、それに社会保障の充実といった3つの柱を訴えていきたい。外交・安全保障でもしっかりとした考え方を国民に提示して戦いたい」と述べ、経済対策を中心に、参院選での巻き返しを図る考えを強調しました。
立憲民主党代表代行、物価高を最大の争点に
一方、都議選で議席を伸ばした立憲民主党の大串博志代表代行は、都議選の結果について「自民党の政治に対する不信感が相当強いと感じた」と指摘しました。立憲民主党としては、「都議選と参院選をほぼ一体のものとして捉えて選挙準備を行ってきた」とし、参院選に向けた準備が都議選と並行して進められてきたことを明らかにしました。そして、「物価高が最大の争点であることは間違いない」と述べ、参院選では物価高対策を軸に、責任ある野党としての姿勢を強くアピールしていく考えを強調しました。
今回の東京都議会議員選挙は、与党である自民党と公明党にとっては厳しい結果となりました。特に自民党の過去最低議席への転落は、政治資金問題を背景とした有権者の不信感を示すものとも受け止められています。各党の間では、都議選の結果が参院選にどこまで影響するかの見方は分かれていますが、いずれの党も既に参議院選挙モードに移行しています。国政選挙に向けて、政策や戦略を改めて有権者に訴えかけていく構えです。今後の各党の戦いぶりが注目されます。