「石丸旋風」吹かず、再生の道が都議選で歴史的大敗:会見で垣間見えた素顔

東京都議会議員選挙の投開票が22日行われ、石丸伸二氏が率いる地域政党「再生の道」は、候補者42人全員が落選し、獲得議席ゼロという歴史的な大敗を喫した。石丸氏は同日夜の会見で、都議選結果に対し「そうなんですね、それ以外の感情ってあるんですか」と笑み交じりに語った。「石丸旋風」はなぜ吹かなかったのか、会見での様子を含め伝える。

都議選結果会見に臨む石丸伸二氏。「再生の道」は議席ゼロ都議選結果会見に臨む石丸伸二氏。「再生の道」は議席ゼロ

再生の道、都議選で議席ゼロの衝撃

「再生の道」は石丸氏が今年1月設立。「政治参加を広く促す」目的で公募した42人の候補者は会社員、経営者、教授など多様な経歴を持ち、石丸氏は「ハイクラス人材」とアピールしていた。しかし、結果は全員落選、議席獲得はゼロに終わった。

なぜ自民の「こぼれ票」を得られなかったか?

裏金問題で自民党は過去最低の得票数だったが、その票は「再生の道」に流れなかった。都政担当記者は今回の都議選を「無党派層が都民ファーストへ投票した。『小池勝ち』の選挙」と分析。都政の選挙は小池都政の是非が強く出るため、「再生の道」が票を得られなかった背景を解説した。

街頭演説の勢い減速、若い層は素通り?

記者は、当初大手町で多数を集めた石丸氏の街頭演説が、その後北千住や高田馬場など各地で勢いが減速したと指摘。昨年の都知事選と同じ場所で行われた東京駅での最終演説も都知事選の半分以下で、年配層が中心だった。若い層は「石丸じゃん」と写真を撮るだけで、なかなか足を止めなかったのが現実だったという。

東京都議選の選挙期間中、石丸伸二氏の演説後に人影がまばらになった板橋区の路上東京都議選の選挙期間中、石丸伸二氏の演説後に人影がまばらになった板橋区の路上

会見で見せた石丸氏の「素顔」

会見開始前、会場付近ではスタッフらしき男性二人が「(情勢)ヤバくないですか」「大丈夫なんですかね」と不安げに話す姿も見られた。結果報告に臨んだ石丸氏は、42人全員落選という結果に「そうなんですね、それ以外の感情ってあるんですか」と、笑みを交え冷静に自身の感想を述べた。

今回の東京都議会議員選挙では、石丸氏の「石丸旋風」は期待されたほどにはならず、「再生の道」は厳しい結果に終わった。結果を冷静に受け止めるかのような石丸氏の態度は、今後の彼の活動にどのような影響を与えるか注目される。

[出典] 週刊プレイボーイ (集英社)