小泉今日子（59）と中井貴一（63）が主演するフジテレビの人気シリーズ「最後から二番目の恋」の3作目「続・続・最後から二番目の恋」（月曜後9・00）が23日に最終話を迎えた。前2作は「木10」枠だったが、今作は「月9」枠での11年ぶり復活。定年を迎えた和平（中井貴一）の長倉家と60歳を目前に控えた吉野千明（小泉今日子）が、出会いから13年の時を経て、最後に選んだ未来が描かれた。最終話の重要なシーンや視聴者の反響、シリーズの軌跡を振り返る。
カフェ・ナガクラのテラスで交わされた「シラフの約束」
物語のクライマックス、カフェ・ナガクラのテラスで千明と和平が向かい合う。和平が「我々はずっとこのままですかね」と問いかけると、千明はかつて酔った勢いでプロポーズらしきことをした出来事を持ち出す。和平はそれを覚えていたと応え、笑い合う。
千明は正直な気持ちを打ち明ける。「ちょっと怖いんですよ…あなたと一緒に暮らしたら素敵だなって。結構、ちゃんと大好きです。でも、誰かを失うのはちょっと怖いなって」。愛する妻を亡くした経験を持つ和平もその気持ちに寄り添い、「本当に大切な誰かと一緒にいて、一人になりたくない…怖いのかな。一緒です」と共感する。
そして千明は「じゃあ、このままでいいですか。このまま隣でも一緒にいてくれますか」と提案。和平はそれに対し、「一つ約束しませんか。シラフの約束。いつか心が解けて、怖くなくなったら、一緒に暮らしましょう。起きた時…すっぴんのあなたがいる暮らしがしてみたい」と、新たな、そして真剣なプロポーズともとれる言葉を贈る。千明は照れ笑いを浮かべながら受け入れ、二人は指切りで約束を交わす。最後に千明が「一緒に住む前に一緒に旅行に行きましょうよ」と無邪気に付け加え、二人の関係は「いつか」の同居を視野に入れつつ、新たなフェーズへと進むことになった。
「続・続・最後から二番目の恋」最終回、カフェ・ナガクラのテラスで見つめ合う吉野千明と長倉和平
視聴者から寄せられた感動と「ロス」の声
千明と和平が出会ってから13年、隣り合う古民家で様々な時間を重ねてきた二人が選んだ「未来」に対し、SNS上では多くの反響が寄せられた。「凄いロマンティック」「未来へのプロポーズ」といった感動の声や、「素敵な約束」「シラフの約束…素敵すぎ涙」と和平の言葉に胸を打たれたというコメントが見られた。
また、「最後まで可愛い2人だったな～」「和平さんええプロポーズするな～」「二度目のプロポーズ…泣いちゃうよ…」「ステキ、カワイイ、最高な2人だよ号泣」など、千明と和平の関係性やキャラクターへの愛情あふれる感想が多く投稿された。同時に、シリーズ終了を惜しむ声も多数あり、「来週から和平さんや千明さんたちと会いないなんて…ロス確定です涙」「鎌倉に行けば会える気がする…涙」といった、番組が終わることによる「ロス」を訴えるコメントで溢れた。
シリーズの軌跡と登場人物たちの「第二の人生」
「最後から二番目の恋」シリーズは、2012年に第1作が放送された。神奈川県鎌倉市を舞台に、当時壮年期を迎えていた敏腕テレビ局プロデューサーの吉野千明（小泉今日子）と、市役所職員の長倉和平（中井貴一）を中心に、鎌倉に住む個性豊かな人々の日常と、千明と和平のユーモラスで時には切ない大人の関係を描いた恋愛コメディーとして人気を博した。第1作の最終回平均世帯視聴率は13.7％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）を記録している。その後、特別ドラマを経て、2014年には続編が放送された。当時の設定は「二人合わせて100歳」だったが、今作「続・続・最後から二番目の恋」では前作から11年が経過し、「アラ還」となった二人が織りなす物語として描かれた。
最終回では、千明と長倉家の面々、そして鎌倉の仲間たちそれぞれに「選択」の時が訪れた。休日のカフェ・ナガクラでは、長倉えりな（白本彩奈）が亡き母と父がテラスで過ごした日々を思い出し、木村優斗（西垣匠）が優しく手を握る姿があった。早田律子（石田ひかり）と成瀬千次（三浦友和）もまた、自身の恋に向き合う決断をする。
「続・続・最後から二番目の恋」最終回、成瀬千次の言葉に考え込む吉野千明
長倉家の兄弟や家族たちも「第二の人生」のスタートラインに立っていた。長倉真平（坂口憲二）と知美（佐津川愛美）夫婦、長倉万理子（内田有紀）、そして水谷典子（飯島直子）と広行（浅野和之）夫婦など、登場人物それぞれが「出会い」と「発見」の日々を生き、自らの未来を選んでいく姿が描かれた。
13年の物語が示唆するもの
吉野千明と長倉和平、二人の13年にわたる物語は、人生の様々な段階で訪れる迷いや不安、そしていくつになっても恋をし、人生を楽しむことの可能性を示してきた。最終回で彼らが選んだのは、すぐさま形を変えることではなく、「いつか」を約束すること。それは、年齢や過去に縛られず、自分たちのペースで、自分たちが本当に心地よいと感じる未来を選択することの尊さを静かに伝えているようだった。鎌倉という美しい街を舞台に、彼らが紡いだ物語は、多くの視聴者に共感と感動を与え、それぞれの人生を考えるきっかけを与えたに違いない。
