NHK『あんぱん』24歳俳優が“どこかホラー的”なワケ。張り付いたような笑顔を浮かべ


【画像】嵩(北村匠海)の同級生を演じる高橋文哉

 高橋が演じるのは友情に厚く、福岡の方言が底抜けにチャーミングな辛島健太郎役。その動作や空気感はかなり風変わり。初登場場面から漂う劇的スウィートホラーな高橋文哉には、錯覚的な魅力がある。

 男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、本作の高橋文哉を解説する。

リアル高橋文哉のキュートな魅力

 第1話で山下美月演じる先輩社員を手伝って段ボールを持とうとする手元、画面上手からフレームインする入り方など、細部から全身までさわやかキュートな魅力であふれ返っていた。映画『からかい上手の高木さん』(2024年)取材現場で実際に目の前にしたリアル高橋からもその魅力が伝わってきたことを覚えている。

 他の出演者への取材待機中だった筆者はケータリングが設置された休憩ペースにいた。すると、高橋文哉その人がドリンクを飲みにきたのである。その距離たしか1メートル強。真横で感じる劇的キュートなオーラ。辺りの空気が薄桃色がかって見えた、あの幻は単に錯覚だったのだろうか?

初登場場面で感じる錯覚的な魅力

 第5週第24回。入学試験の場面。全国から集まる受験者から20人しか合格できない狭き門である。テスト開始を待つ嵩が教室で緊張の面持ち。カメラはその表情を捉え続けるのだが、緊張を一時的に緩めるように嵩の視線が上手方向へあわあわ動く。

 カットが替わる。嵩の左斜め前の席に座る健太郎が嵩をじっと見つめている。健太郎によるこの強い眼差しを感じた嵩は思わず吸い寄せられるように視線を泳がせたのである。真顔ならまだしも、健太郎は張りついたような笑顔を浮かべている。何をそんなに見ているのか。ちょっと怖い気がする……。



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