マーク・パンサー、globe時代と異なる「後半世紀」の生き方:多拠点生活と新たな価値観

1995年にデビューし、90年代の音楽シーンを席巻した伝説的な音楽ユニット「globe」。そのメンバーの一人、フランス・マルセイユ出身のアーティスト、マーク・パンサーさん(55歳)は、かつての華やかなglobe時代の“ギラギラ”したイメージとはかけ離れた、自然体なライフスタイルを送っている。現在BS10で放送中の『マーク・パンサーの地球を感じる!グローブ旅』の撮影合間に、彼が語った自身の人生観とは。

穏やかな表情でインタビューに応じるマーク・パンサー氏:globe時代のギラギラしたイメージとは異なる、今の彼が持つ自然体の魅力穏やかな表情でインタビューに応じるマーク・パンサー氏:globe時代のギラギラしたイメージとは異なる、今の彼が持つ自然体の魅力

華やかなショービジネスから一変、長野を拠点とする「後半世紀」のライフスタイル

「いまは長野県の北八ヶ岳をはじめ、地方を中心とした3拠点で生活しています」とマーク・パンサーさんは語る。これまでの半世紀をショービジネスの世界に捧げ、人々を笑顔にすることに尽力してきた彼が、残りの“後半世紀”は「もっと自分のために生きよう」と考えを変えたという。彼の芸能界デビューは2歳。物心つく前からモデルとして活動し、16歳で『MEN’S NON-NO』の初代専属モデルに選ばれた生粋のエンターテイナーだ。

「外人」と差別された少年時代、日本一を夢見て

幼少期、マークさんは「外人」という言葉でからかわれ、いじめの経験があった。「70年代のハーフなんて本当に生きづらかったですよ」と当時を振り返る。この辛い経験が、「必ず日本一になって、みんなを見返してやるんだ」という強い夢と原動力となり、彼の人生を突き動かしてきた。差別という逆境が、彼の輝かしい未来への道を切り開くきっかけとなったのだ。

globeでの絶頂期と「演じていた」自分:真の自分を求めて

マークさんの人生の転機は25歳の時。音楽プロデューサーの小室哲哉さんとボーカルのKEIKOさんと共にglobeを結成し、瞬く間に脚光を浴びた。デビューシングル「Feel Like dance」で95万枚を、続く4thシングル「DEPARTURES」ではダブルミリオンという歴史的大快挙を達成。名実ともに日本を代表するスターグループへと上り詰めた。「globeが本当に日本一を取ったときは、KEIKOと抱き合って泣きましたね」。しかしその一方で、「高価なイタリアンカジュアルを着て、ベンツやレンジローバーに乗って、“globeのマーク・パンサー”を演じていました」と、理想と現実のギャップも感じていた。本当は古着やアンティークカーを好み、都心のタワマンよりも大自然の中での暮らしに憧れていたという。

マーク・パンサーさんは、globeでの絶頂期を経て、かつてのイメージを脱ぎ捨て、より自分らしい生き方を追求している。多拠点生活を通じ、ショービジネスでの輝きとは異なる、内面からくる穏やかな充足感を見出しているようだ。彼の「後半世紀」の生き方は、多くの人々に新たな価値観と選択肢を提示するだろう。


参考文献: