立憲民主党は6月24日、7月20日投開票予定の参議院選挙に向け、前職の蓮舫氏（57）を比例区候補として公認することを正式に決定した。蓮舫氏は昨夏の東京都知事選挙で現職に敗れた後、国政への復帰を繰り返し否定する姿勢を示していたため、今回の比例区からの出馬決定は党内でも賛否が分かれる議論を呼んだ。最終的には、野田佳彦代表が党内の意見を押し切る形で公認に踏み切った。この決定により、蓮舫氏の今後の政治動向に再び注目が集まっている。
2025年参院選比例区への出馬が決まった立憲民主党の蓮舫氏（写真）
「野党の顔」から都知事選での敗北、そして比例区へ
民主党政権下で閣僚を務め、その後は旧民進党の代表も経験するなど、華々しい政治経歴を持つ蓮舫氏は、長年にわたり参議院における「野党の顔」として、政府への鋭い追及で存在感を放ってきた。
しかし、参議院議員を辞職し、立憲民主党を離党して無所属で挑んだ1年前の東京都知事選挙では、現職の小池百合子氏に加え、突如注目を集めた前安芸高田市長の石丸伸二氏に続く3位という予想外の結果に終わった。この敗北は、政界内部でも彼女の「政治生命の危機」が囁かれる事態を招いた。
今回の比例区出馬を巡る動きは、同じく旧民進党時代に「野党の女性スター」として並び称された山尾志桜里元衆議院議員の動向とも対比された。山尾氏も国民民主党からの参院選出馬が報じられたが、過去の不倫問題に関する国民的な批判を受け、党内の強い反発によって土壇場で公認が取り消しとなった。山尾氏の公認取り消しが、蓮舫氏の今回の決定と周辺の騒ぎをさらに拡大させる一因となったとの見方もある。
公認決定を受けて、蓮舫氏は週内にも出馬会見を開く予定だ。しかし、山尾氏が会見で自身の不倫問題に関する説明を拒否したことが公認取り消しの大きな要因となった経緯を踏まえれば、蓮舫氏の会見内容、特に過去に批判を浴びた「二重国籍問題」や、それが原因で民進党代表辞任に追い込まれた8年前の都議選敗北後の対応などについて、どのような説明を行うかが最大の注目点となる。政治ジャーナリストの間では、「出馬会見で何を語るかが注目の的」との声が上がっている。
立憲民主党の参院選候補者擁立と目標
立憲民主党は6月24日、蓮舫氏を含む9人の比例区候補者の公認を決定し、これで参院選に向けた候補者擁立作業を完了させた。全体としては、選挙区に29人、比例区に22人の候補者を擁立することになった。今回の参院選における党全体の目標としては、「改選議席で与党の過半数割れ」を掲げており、立憲民主党自体の獲得議席数を巡る具体的な「勝敗ライン」は明確に示していない方針だ。党は、蓮舫氏の知名度と発信力に期待を寄せつつ、比例区での得票増を目指す構えだ。
