経営再建中の中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)の元経理担当幹部が巨額の会社資金を着服していたとされる問題で、元幹部が東京都内で死亡したことが1日、捜査関係者への取材で分かった。自殺とみられる。JDIは元幹部を昨年12月に懲戒解雇し、今年8月に業務上横領罪で警視庁に刑事告訴。実態解明に影響が出る恐れがある。
捜査関係者によると、都内で自殺を図り、病院に搬送され、その後死亡した。
JDIによると、元幹部は架空取引で会社の資金を別会社の口座に不正送金したり、収入印紙を換金したりする手口で、昨年10月までの約4年間に計約5億7800万円を着服したとされる。昨年10月に別の社員からの内部通報で発覚した。社内調査に対し、着服した資金はギャンブルなどに使ったと話していたという。
JDIは今年11月、元幹部側から着服とは別に「過年度決算で不適切な会計処理を行っていた」との通知を受け取ったと発表。元幹部は当時の経営陣からの指示だったと主張しており、内部調査を始めていた。