国民民主党の玉木雄一郎代表が、自身の党の政策について「女性には理解するのが非常に難しいのだと思う」と発言し、これが波紋を広げている。国民民主党の女性からの支持率が低い現状に触れる中で出たこの発言は、「女性蔑視にあたるのではないか」との批判を浴びており、これに対し玉木氏は自身の真意と謝罪のコメントを発表した。この一連の出来事は、政党の支持層拡大におけるコミュニケーションの難しさ、特に特定の層へのメッセージの伝え方について議論を呼んでいる。
会見での発言内容の詳細
問題の発言は、2024年6月24日に日本外国特派員協会(FCCJ)で開かれた会見の中でなされた。玉木代表は、なぜ国民民主党が女性の支持を得られていないのか、そしてその改善策について問われた際、困惑した様子を見せながら応じた。
彼は、党設立当初から女性からの支持が得られていない事実を認めつつ、多くの人から「言っていることが複雑で理解しづらい」との声があることを紹介した。一方で、昨年の総選挙で提示した「年収の壁」(103万円から178万円)に関する政策は比較的理解しやすいものだったと述べた。
その上で、「私たちの政策は男性だけでなく女性にとっても良いものなのです」と強調しつつも、「しかし、女性にはそれを理解するのが非常に難しいのだと思います」と述べた。会見の最後には、政策は女性や高齢者にも良いものであるにもかかわらず、これまでのところ支持拡大に成功していないことへの難しさにも言及した。
国民民主党 玉木雄一郎代表(会見にて撮影)。女性政策に関する発言で波紋を呼ぶ。
発言への批判と波紋
玉木代表の「女性にはそれを理解するのが非常に難しいのだと思う」との発言に対し、SNS上では「侮辱的だ」「女性蔑視ではないか」といった強い批判の声が多数投稿され、波紋が広がった。この発言が、女性の知性や政策理解能力を過小評価しているかのように受け取られたためだ。
玉木代表による釈明と謝罪
こうした批判を受け、玉木代表はハフポスト日本版に対し、自身の発言の真意と謝罪のコメントを寄せた。
彼は、外国人特派員協会での会見での発言が女性蔑視にあたるとの指摘を受けていることに言及し、自身が伝えたかったのは「国民民主党の政策は女性にとっても良いと考えているが、実際には女性に届いていない現状があり、それに難しさを感じている」ということであったと説明した。
英語での発言で「it’s very difficult to understand for them.」(彼らにとって理解するのは非常に難しい)と言ってしまったことについて、本来は「it’s very difficult to deliver to them.」(彼らに届けるのは非常に難しい)のような表現を使うべきだったと述べた。
自身の英語力の未熟さゆえに不適切な表現をしてしまったことを反省しており、決して女性蔑視をするつもりはなかったと釈明した。そして、女性の方々に支持が広がっていないのは、政策を適切に伝えきれていない党側の問題であると認め、「本当に申し訳ございません」と謝罪の意を表明した。
結論
玉木雄一郎国民民主党代表の会見での発言は、「女性は政策理解が難しい」という趣旨に受け取られ、批判を招いた。これに対し玉木氏は、自身の言葉足らずであったことを認め、政策をターゲット層に「届ける」難しさについて言及したかったのだと釈明、謝罪した。この一連の経緯は、政治家が多様な国民に対してメッセージを発信する際の言葉の選び方や、意図を正確に伝えることの重要性を改めて浮き彫りにしたと言えるだろう。
参考資料: