フジテレビ敏腕ディレクター逮捕、オンラインカジノ常習賭博の深層

6月23日、フジテレビの帯番組『ぽかぽか』などを担当するバラエティ制作部企画部長、鈴木善貴容疑者(44)が常習賭博の容疑で逮捕された。海外で運営されるオンラインカジノで常習的に賭博を行ったとされる。鈴木容疑者は自身の「裏アカウント」とみられるSNSで、「打つと涙出てくる。吐き気も。カジノで負けすぎて人生戻る映画ないかな オンカジ 個人再生 #破産」など、オンラインカジノでの負けが続く苦しいギャンブル生活を赤裸々に投稿していた。

キー局の社会部記者によると、鈴木容疑者は昨年9月から今年5月にかけ、海外のオンラインカジノサイト「エルドアカジノ」に日本国内から接続し、バカラ賭博などをした疑いが持たれている。賭け金の総額は1億円以上に上るとされるが、オンラインカジノ自体は5年ほど前に始めたという。

フジテレビ敏腕ディレクター逮捕、オンラインカジノ常習賭博の深層オンラインカジノ常習賭博容疑で警視庁を出るフジテレビ鈴木善貴容疑者

オンラインカジノに手を染める以前から、鈴木容疑者は競艇やスロットなどのギャンブルにのめり込み、金銭的な悩みを抱えていた。フジテレビ関係者は、オンラインカジノを始める前の2019年頃にはすでに700万円ほどの借金があったと語る。立て続けに消費者金融の増額審査に落ちるなど困窮し、会社支給の弁当やスープで食いつなぐような状況だった。生活を維持するため、本業の傍ら、果物の箱詰めや家庭教師などのアルバイトで副業もしていたという。当時の関係者の間では、アルバイトを終えてから出社しているとの噂もささやかれていたほどだ。

鈴木容疑者の「裏アカウント」に残された当時の投稿には、「一ヶ月これですごさないと、死ぬ というかもう死んでる あー 生きながら死んでるんだよ」という悲痛な文言とともに、当時の全財産と思われる現金の写真が添えられていた。そこには500円玉1枚、100円玉と50円玉が2枚ずつ、10円玉3枚、5円玉1枚が写っており、合計金額はわずか835円だった。

元のギャンブルに加え、オンラインカジノを始めたことで、鈴木容疑者の借金はさらに膨れ上がり、1000万円を超えたとされる。一発逆転を狙い、給料日に全額をオンラインカジノにつぎ込むこともあったという。

取り調べに対し、鈴木容疑者は「5年ほど前、職場の先輩に誘われて始めた」「周りの人もやっているから大丈夫だろうと続けてしまった」などと供述しているという。前出のフジテレビ関係者は、「今後、鈴木容疑者以外にも摘発されるフジ社員が出てくるのではないか」と懸念を示す。

6月11日には、同局の山本賢太アナウンサーが過去にオンラインカジノを利用していたことをフジテレビが発表し、6月24日には書類送検されたことが明らかになった。現時点で公表されているのは鈴木容疑者と山本アナウンサーの2名だが、他にも利用していた局員がいるとの話も出ている。

6月25日には株主総会が控えているフジテレビ。次々と明らかになる問題を、同社はどのように乗り越えていくのかが注目される。

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