【ハーグ=蒔田一彦】米国のトランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日、オランダ・ハーグで会談し、ウクライナの防空能力の強化を巡り欧州を交えて協議を続けることで合意した。トランプ氏は会談後の記者会見で、地対空ミサイルシステム「パトリオット」の売却を検討する考えを示した。
会談は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて行われた。ウクライナはパトリオットの追加配備のため、米国から購入したい意向を伝えており、トランプ氏は記者会見で「提供できるかどうか検討する」と述べた。
トランプ氏はまた、「プーチン(露大統領)は難しい相手だ。他の戦争よりも難しい」と語り、自身が仲介するロシアとウクライナの和平交渉が難航していることを認めた。停戦実現に向けて近くプーチン氏と協議するとも述べた。米国が軍事支援や和平交渉の仲介から手を引くことを危惧するゼレンスキー氏にとっては、トランプ氏から関与継続の約束を引き出した形だ。
ゼレンスキー氏はその後、英独仏伊、ポーランドの5か国の首脳とも会談し、エネルギーや金融分野などを対象にした対露追加制裁について協議した。