日産、定時株主総会で業績不振陳謝 再建計画と役員報酬に株主から厳しい声

横浜市の日産自動車本社で開かれた定時株主総会では、深刻な業績不振を巡り、経営陣が株主に陳謝し再建計画を説明しました。低迷する日産の業績や株価、そして役員報酬に対する株主からの厳しい声が注目されました。

日産本社ビル、定時株主総会が開催された横浜の会場外観日産本社ビル、定時株主総会が開催された横浜の会場外観

総会の焦点:業績不振と再建計画

総会では、2025年3月期に計上した過去最大級となる6708億円の当期赤字や、世界7工場の閉鎖・2万人の従業員削減を含む経営再建計画Re: Nissan(リニッサン)」について説明がありました。イバン・エスピノーサ社長は業績不振について株主に陳謝し、計画への理解を求めました。しかし、削減対象となる工場具体的拠点名については言及されず、内田誠前社長の同席や、白紙となったホンダとの経営統合協議に関する詳しい説明を求める意見が出るなど、厳しい追及もありました。

株主の声と総会の決定

総会では、エスピノーサ社長や赤石永一執行役ら4名が新取締役として選任され、内田前社長と坂本秀行前副社長が退任しました。社外取締役は全員留任。一方、日産車体の完全子会社化などを求めた株主提案は否決されています。

出席株主からは賛否両論の声が上がりました。「(再建計画による)規模縮小には賛成。一度リセットして再生してほしい」「エスピノーサ社長の覚悟熱意が聞けて良かった」といった好意的な意見がある一方、「なぜ赤字になったのか、反省がない」「具体的利益目標を示せていない。業績回復確信が持てない」といった厳しい意見も聞かれました。

定時株主総会は1071人の株主が出席し、3時間6分にわたり行われました。厳しい経営状況が続く中、日産の今後の動向に高い関心が寄せられています。