今、大企業でリストラが相次いでいます。これまでは赤字企業が大半でしたが、令和では人員削減の主流が赤字から黒字企業に。一体なぜなのでしょうか。
■黒字なのにリストラ 令和の新常識は?
元保険会社勤務 60代
「リストラはある程度はしないと、企業の業績に今後影響してくる」
かつて昭和や平成に繰り返されてきた大規模リストラ。
令和の今、これまでとは違った大手企業のリストラが相次いでいます。
パナソニックグループは、今年度中に従業員の約5%にあたる1万人規模の人員を削減すると発表しました。
国内外それぞれ5000人規模を想定し、早期退職も募集します。
パナソニックHD 楠見雄規社長
「私は雇用に手を付けることは本当にじくじたる思い」
黒字経営が続くなかで、なぜ大規模リストラに踏み切るのでしょうか。
楠見社長
「ここで、この会社の経営基盤を変えなければ、10年後20年後にわたってこの会社を持続的に成長させていくことはできない」
またロイター通信によると、業績が好調なアメリカ・マイクロソフトはAI事業の拡大に備え、世界中のあらゆる地域で大規模な人員削減を行います。従業員の3%弱にあたる約6000人が対象です。
街の人に話を聞きました。
鉄道業界 40代
「(Q.企業が『黒字でもリストラ』。どう感じる?)黒字ならする必要がない」
「(Q.リストラと聞くと?)暗いイメージ」
飲食業界 40代
「(Q.黒字でもリストラという流れについて)どうなんですかね。逆に経験ある人や知識の豊富な人を逃すことにならないのかな」
東京商工リサーチの調査では、2024年に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は57社で、前年から約4割増加しました。
そのうち黒字の企業は約6割を占めています。
東京商工リサーチ 情報部 本間浩介さん
「従来の日本企業は業績不振に伴う構造改革やリストラがメインだったが、2024年に入ると経営不振というよりも、黒字の中で構造改革に踏み切る企業が増えてきた」
調査では、リーマンショック後の2009年に早期希望退職が2万人以上にも及び、過去最高を記録。2024年は1万人を超えました。
本間さん
「(リストラの)対象年齢も30代の若い世代や、勤続年数が短い従業員にまで広がっているのが調査で明らかに。今、人手不足と言われているものの、企業側も従業員に対するコスト意識が高くなっている」
早期希望退職については、様々な意見があります。
飲食業界 40代
「昔はコロコロ仕事を変えると冷たい目もあったけど、(仕事を)選びやすいけど、その分判断を自分で考えなくてはいけない」
元保険会社勤務
定年後医療業界 60代
「リストラという定義が少し変わって、再就職の機会という考え方が社会に浸透してくればイメージ的には今の段階ではあまり良いものにはなっていないけど、さほど悪いものでもないかと」
石油関係の会社で役員をしていたという80歳の男性は…。
80代
「バブルが崩壊して若い時に会社を整理して退社した」
「(Q.どのくらいの規模の会社?)資本金3億円くらい。負債総額700億円くらい」
「(Q.何人勤めていた?)300人くらい。いかに従業員に退職金を用意するかで苦労した」