パレスチナ・ガザ地区中部のデイル・アルバラフで発生したイスラエル軍による攻撃は、再び国際社会の注目を集めています。6月26日、同地の市場で治安維持にあたっていたイスラム組織ハマスの警察部隊がドローン攻撃を受け、医師や目撃者によると、少なくとも18人のパレスチナ人が死亡しました。このガザ デイル・アルバラフ 攻撃は、地域の緊迫した状況を浮き彫りにしています。
デイル・アルバラフ市場での攻撃詳細
目撃者や医師がBBCに語ったところによると、イスラエル軍のドローンは、デイル・アルバラフの市場で治安維持にあたっていたハマス警察部隊員らに向けて発砲しました。警察は、高値での販売や略奪物資の横流しを取り締まっていたとされます。ガザ内務当局は、今回の空爆を「警察部隊への新たな犯罪」と非難。目撃者によると、警察が販売者に適正価格を求め、応じなければ没収すると警告した後、一部の販売者が銃を取り出し衝突が発生。その後、イスラエル軍**ドローン**がミサイル2発を発射したといいます。攻撃直後の動画には、地面の遺体やパニック状態の買い物客が映っており、アルアクサ病院には18人の遺体が搬送されました。犠牲者のうち警察部隊員が何人かは不明です。
ガザ中部デイル・アルバラフでのイスラエル軍攻撃後、犠牲者を悼むパレスチナの人々
ガザ地区の人道支援物資状況
ガザ地区では最近、「ガザ人道財団(GHF)」が支援物資を配給していますが、南部と中部の拠点とその周辺では連日発砲事案が報告されています。住民は物資入手が困難で、一部人道支援物資は市場で高値で売られている状況です。
イスラエル政府の見解と動き
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は26日、ガザ北部でハマスが再び人道支援物資を掌握し住民から奪っていると非難し、阻止のための「行動計画」策定をイスラエル軍に指示しました。25日には、極右のイタマル・ベン・グヴィル国家安全保障相が、ガザに入った支援トラックに武装・覆面した人物が乗る映像を投稿。「ハマスが物資を掌握」として、支援搬入停止を首相に求めました。
ハマス側の主張と背景
一方、ハマスは支援物資の略奪や利益を否定。26日のNGOによる食料配給では、ハマス政治部門関係者が「監督」として立ち会ったと説明しています。
広がる犠牲と紛争の全体像
民間防衛隊によると、市場攻撃前にも26日、ガザ全域でイスラエル軍攻撃により少なくとも14人が死亡、数十人が負傷。現在の紛争は、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃(約1200人死亡、251人拉致)に端を発します。イスラエル軍のガザ軍事作戦開始以降、ガザ保健当局は少なくとも5万6259人が死亡したと発表しています。
今回のガザ中部デイル・アルバラフ市場へのイスラエル軍によるドローン攻撃は、多数のパレスチナ人犠牲者を出しました。ハマスの警察部隊が標的とされましたが、彼らの市場での活動や、人道支援物資を巡る異なる主張が事態を複雑にしています。ガザ地区では人道支援の状況が深刻化しており、イスラエルとハマス双方の対立が続く中、民間人の犠牲が増え続けています。
参考文献:
- BBC News (英語記事 Israeli strike at Gaza market kills 18 Palestinians, doctor and witnesses say)