フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングスは25日、株主総会を開催しました。有明アリーナには3364人の株主が足を運び、注目されたのは、物言う株主ダルトン・インベストメンツからの株主提案と会社側提案の取締役選任議案でした。総会では、ダルトン側が提案した取締役候補はすべて否決され、会社側が提案した取締役候補全員が選任される結果となりました。株主の関心は、経営体制の変更点に集まりました。
フジ・メディア・ホールディングス株主総会の会場となった有明アリーナと、株主提案に関する注目度を表す風景
物言う株主ダルトンの提案
物言う株主として知られるアメリカの投資会社ダルトン・インベストメンツは、ドジャースの野球帽がトレードマークのジェームズ・ローゼンワルド氏が率い、フジの経営改革に関心を示してきました。特に、中居正広さんを巡る問題後の状況を受け、先月フジテレビ本社を訪れたローゼンワルド氏は、SBIホールディングスの北尾吉孝会長ら12人の社外取締役候補を提案していました。
フジ側の改革案と取締役候補
フジ側は、ダルトン案とは異なる独自の改革案を進めるため、この提案を既に拒否していました。フジの提案は、特定の人物に権限が集中しないよう、長年経営トップを務めた日枝久氏らを念頭に置いた相談役制度の廃止に加え、意思決定迅速化のため取締役の数を17人から11人に削減し、うち10人を新任とする大幅な役員刷新でした。若返り(平均71歳→57歳)と多様性(約半数女性)も強調し、新たな体制への株主の賛同を求めました。
総会での採決と結果
25日の株主総会では、フジ側が提案した11人とダルトン側が提案した12人の取締役候補、計23人の候補から定款で定められた上限18人の取締役を選ぶ「オールスター選挙」形式で行われました。先頭の株主が午前5時40分から並ぶほど注目度が高い中、午前10時に開始された総会は、冒頭の謝罪から始まり、4時間半に及びました。株主からは、フジ側が推す取締役候補が本当に適任なのかといった質問も出ましたが、採決の結果、ダルトン側が提案したすべての株主提案、並びに取締役候補は否決され、フジ側が提案した11人の取締役候補全員が選任されました。
この株主総会により、フジ・メディア・ホールディングスの経営体制は、会社側が提案した刷新案に基づいて進められることが決定しました。物言う株主ダルトンからの提案は退けられ、新しい取締役会が発足します。