タレントの中居正広氏(52)と、元フジテレビアナウンサーのAさんを巡るトラブルは、依然として終息の兆しを見せていません。中居氏は、第三者委員会による「性暴力」認定に対し、継続的に反論しています。これに対し、Aさんへの誹謗中傷が後を絶たない状況下で、本誌「週刊ポスト」は両者の関係性を理解する上で極めて重要となるメールのやり取りを独自に入手しました。このやり取りは、事案発生後に中居氏とAさんの間で交わされたものです。
中居氏とのトラブルを抱える元フジテレビアナウンサーAさんの友人は、「“失恋事案”という言葉が先行し、被害者であるAさんが『交際のもつれ』を理由に訴えたかのように世間に受け止められている。誤解が広まるのはあまりに不憫だ。Aさんの名誉を守るためにも、中居さんとのメールのやり取りを公開せざるを得ないと思った」と語っています。この友人は、Aさんが2023年7月に入院中に被害の相談を受け、事案発生後の中居氏とのメール(携帯のショートメッセージ)の写しを受け取っていました。その写しには、事案の真実を映し出す重要な内容が含まれていました。(本記事は前後編の後編であり、前編の内容を踏まえています)
中居正広氏と元フジテレビアナウンサーAさんとの事案発生後のメールやり取りを示すイメージ画像
事案発生後のAさんの状況と中居氏からのメッセージ
トラブルが発生したのは2023年6月2日です。事案後、中居氏はAさんに対して複数回、食事などの誘いのメッセージを送っています。これに対するAさんの返信は記録上少なく、簡潔なお礼や新たな誘いへの断りのメッセージに留まっていました。
第三者委員会の報告書によると、6月6日午前にAさんは会社指定の産業医を受診し、2日以降続く不眠などの症状を訴えました。そのような心身の不調が続いている状況でも中居氏からの誘いのメッセージが届く中、Aさんは【私は普通の人間で、貞操観念も真面目なタイプで そういうことがあると、正直気持ちがついていけず、食事に行けるメンタルではないです…】と、自身の感情を吐露するメッセージを返信しています。
その後、PTSDによる摂食障害やうつ症状に苦しんだAさんはフジテレビを休職し、入院するに至ります。
心身の苦痛の中で綴られたAさんの切実な訴え
心身の症状が改善しない中、Aさんは7月14日に改めて中居氏へメッセージを送りました。報告書には〈本事案について自分の意に沿わないことであったこと、そのとき泣いていたこと、怖かったこと、6月2日に食べた食事の具材でフラッシュバックすること等を伝え、産業医や病院の医師も(中居氏を)訴えるべきであると言っていることなど〉を伝えたと記載されています。
今回入手したメッセージの写しには、その流れの中でAさんが【訴えたとしたら、社会的ダメージも大きいですし、私も仕事がなくなります】と述べた後、続けて切実な思いを綴った内容が含まれていました。
Aさんのメッセージ(7月14日)からは、裁判を起こした場合の自身への影響を考慮しつつ、事態を穏便に解決したいという意向が見受けられます。その上で、【なので、穏便に済ませたいとおもいます。こんなことをお願いするのは、私のプライドが許さないのですが。入院費用治療代を助けていただけませんか。前にも言いましたが、生命保険に入っておらず、医療費が高額になる、そして26歳の平均年収は365万円。どう頑張っても入院費用を捻出できません。私がこれから普通に生きるための金銭的助けをお願いできませんか。】と、具体的な金銭的支援を求める内容が記されていました。経済的に困窮し、通常の生活を送るために助けが必要であるという、当時のAさんの苦境がうかがえる切羽詰まった訴えです。
金銭的支援の訴えに対する中居氏の返信とその後の対応
このAさんのメッセージに対し、中居氏は7月17日に以下のように返信しています。
中居氏の返信(7月17日)からは、Aさんが当時の出来事を思い返す辛さに寄り添いつつ、自身の解釈との違いがあることを認めつつも、Aさんの辛い思いを受け止めている様子がうかがえます。そして、【少しでも、何か、協力できることがあれば、と、言う思いは変わりません】と、何らかの協力の意思があることを示しています。
このやり取りの後、中居氏は「共通の知人」であるフジテレビの編成部長(当時)B氏を代理人として間に挟むことを再三提案したとされています。入院中のAさんへの“お見舞い品”を中居氏がB氏に届けさせる流れとなりましたが、報告書によれば、病院に届けられたお見舞い品は医師らの判断でAさんの目に触れることなく、中居氏側に返却されたとのことです。
報告書によると、その後Aさんの病状はさらに悪化しました。Aさんは主治医の見解に基づき治療に専念するため、退院までは中居氏への連絡を控える旨のメッセージを送りました。報告書には、〈その後は女性Aから中居氏に連絡していない〉と記されています。
まとめ
今回明らかになった中居正広氏と元フジテレビアナウンサーAさんの事案発生後のメールのやり取りは、Aさんが単なる「交際のもつれ」ではなく、心身に深い傷を負い、経済的にも窮地に立たされていた状況を示唆するものです。特に、Aさんが中居氏に対して治療費・入院費用といった具体的な金銭的支援を求めていた事実は、これまでの「失恋事案」という一般的な受け止め方に対し、異なる側面を提示しています。中居氏の「何か、協力できることがあれば」という返信や、その後の代理人を介した対応も、この問題の複雑さ、そして両者の認識のずれを示しています。本件は、第三者委員会報告書の内容と共に、今後の展開が注目される社会的な関心事となっています。