JR西日本の長谷川一明社長(62)が就任し2日、大阪市内の本社で初の記者会見を行った。2025年の大阪・関西万博やJR大阪駅北側の「うめきた2期」開発などは「大阪が発展していく契機」だとし「鉄道事業の安全性を高めつつ、そのお役に立てるよう取り組んでいきたい」と抱負を語った。
線路保守作業員らの労働環境改善に向けた深夜帯ダイヤの見直しについては「重要な社会課題であり、引き続き検討したい」と語った。
長谷川氏は会見に先立ち同社幹部への訓示を行い、兵庫県尼崎市で平成17年に乗客106人が犠牲になったJR福知山線脱線事故について「私たちの安全の取り組みの原点であり、決して風化させてはならない」と強調。社員の約半数が事故発生後の入社であることを踏まえ、「安全構築の取り組みと風土改革への姿勢、思いは、時を経ても揺らいではならない」と戒めた。
長谷川氏は平成28年から代表取締役副社長を務めたほか、事業多角化を推進する創造本部長も兼務し、ホテル開発や不動産事業の強化に取り組んできた。JR西は沿線人口の減少などを背景に、非運輸部門の事業強化を推進している。