(CNN) 今年最も注目され、同時に最も秘密に包まれた結婚式の一つが、ベネチアで3日間にわたって開催されたジェフ・ベゾス氏とローレン・サンチェス氏の豪華な祝宴として幕を閉じた。夫妻は6月28日夜、中世の造船所跡であるアルセナーレで披露宴を開き、ベネチア・ビエンナーレの会場としても知られるこの場所へ向かう姿が目撃された。
豪華絢爛な祝宴の締めくくり
CNN記者は、手を振る夫妻のボートと並走する船から状況を伝えた。サンチェス氏はピンクのアトリエ・ヴェルサーチェのドレスをまとい、ベゾス氏は黒いスーツとシャツという装いだった。これに先立ち、夫妻は作家アーネスト・ヘミングウェイも常連だったことで知られるハリーズ・バーに立ち寄る姿も捉えられた。一方、市内の鉄道駅付近では、今回のイベントに対する抗議デモの準備が進められていた。
ベネチアでのベゾス氏とサンチェス氏の豪華結婚式を終え、ホテルから出発する様子
非公開で行われた挙式
主要な式典は、6月27日にサン・マルコ地区沖に浮かぶ歴史的なサン・ジョルジョ・マッジョーレ島で非公開で行われた。約200名の招待客リストには、カーダシアン&ジェンナー家の面々、ビル・ゲイツ氏、カーリー・クロス氏、オプラ・ウィンフリー氏、アッシャー氏などの著名人が名を連ねた。招待客はイベント期間中、ソーシャルメディアへの投稿を控えるというルールを守ったと報じられている。
秘密のベールとファッションの披露
式の詳細は厳重に秘匿されたが、ファッション界からは情報が漏れた。デジタル版ヴォーグがサンチェス氏のウェディングドレス姿を独占的に初公開したのだ。長らく憶測を呼んでいたドレスは、デザイナーのドメニコ・ドルチェ氏もベネチアに姿を見せていたことからドルチェ&ガッバーナの可能性が指摘されていたが、実際に1年半をかけて制作された特注デザインであることが判明した。このドレスは、レース仕立てのハイネックコルセットに、シルクシフォンで覆われた聖職者風のボタンが180個並んだものだった。ヴォーグ誌によると、夜にはさらに2度の衣装替えがあり、ウェディングディナーでは1946年の映画「ギルダ」へのオマージュとされるスイートハートネックのドレス、その後は17万5000個のクリスタルがあしらわれたオスカー・デ・ラ・レンタのカクテルドレスを着用したという。
プライバシー確保と高まる抗議の声
挙式会場としてサン・ジョルジョ・マッジョーレ島が選ばれたのは、イタリアの建築家アンドレア・パッラーディオによるバシリカ建築で知られる歴史的価値だけでなく、現実的な理由としてプライバシー確保と警備の容易さがあったとみられている。ベネチアでは、運河封鎖の脅迫、ゲリラ的に設置される横断幕、ベゾス氏に似せた不気味なマネキンが登場するなど、一連の抗議行動が続いていた。このため、夫妻は直前になって週末の会場を変更せざるを得なかったとされる。ベネチア観光当局は、今回の祝宴による経済効果が市の年間観光収入の約68%に相当すると試算しているが、一部のデモ隊は世界の富豪が美しいベネチアを「乗っ取ろうとしている」と批判し、抗議の声を上げている。
結婚の法的ステータス
式では、夫妻の間で指輪交換が行われたとみられる。しかし、2人の結婚が法的に成立した正確な時期は不明である(今週以前に米国で手続きを済ませていたかどうかは明らかになっていない)。ベネチア市長室の広報担当者は6月26日のCNNの取材に対し、夫妻からの公式な婚姻届は受理していないと述べており、ベネチアでのイベントは形式的なもので、法的拘束力を持たない可能性が高い。ヴォーグ誌での写真公開後まもなく、サンチェス氏は自身のインスタグラムアカウント名を「ローレン・サンチェス・ベゾス」に変更した。
出典:CNN、Yahooニュース、Vogue