6月26日に放送された『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)の最終回が波紋を呼んでいる。1993年10月にスタートし、31年8カ月にわたって続いた長寿番組の最終回は、番組に関わりのあるタレントが車に乗りドライブをしながら思い出を語る、なんとも“ユルい”ものだった。しかし、この最終回にゲスト出演したタレント・ベッキーに対し、SNS上で再び「拒否反応」を示す声が相次いでいる。9年前の不倫騒動から復帰した彼女への根強い反発はなぜ続くのだろうか。
長寿番組「ダウンタウンDX」の番組ロゴ。最終回を迎え、放送終了が発表された。
最終回で相次いだ批判の声
長年の歴史に幕を閉じた『ダウンタウンDX』の最終回は、かつてのスタジオ収録形式とは異なり、ゲストとのドライブトークという異例の構成だった。番組内容に対する評価が分かれる中、特に視聴者の間で物議を醸したのがベッキーの起用だった。SNS、特にX(旧Twitter)上では、番組の雰囲気や構成以上に、彼女の出演に対する不満や拒絶の意思を示す投稿が多数見られた。
《昨日のダウンタウンDX最終会、コンプライアンス的に松本がNGでベッキーがOKなのは理解に苦しむ》
《ダウンタウンDX最終回だから観てたらベッキー出て来てすごい不愉快だったから観るのやめた》
といった、過去の騒動を想起させるコメントが多く寄せられた。ベッキーは6月18日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)にもゲスト出演しており、こちらでも同様に《水曜日のダウンタウン観てたらベッキー出てきた。不倫から無理になった。センテンススプリングが頭から離れない。拒否反応》といった声が聞かれるなど、特定の視聴者層からの根強い拒否反応が確認されている。この反発の背景には、2016年初頭に週刊誌で報じられた、ロックバンド・ゲスの極み乙女。の川谷絵音とのいわゆる“ゲス不倫”騒動が大きく影響している。
9年経っても視聴者が「拒絶」する理由
スキャンダルや不祥事を起こした芸能人が、時を経て復帰を遂げるケースは少なくない。しかし、ベッキーの場合、騒動から9年が経過し、結婚して2児の母となり“ママタレント”としての顔も持つ現在もなお、なぜ一部の視聴者から拒絶されてしまうのだろうか。その理由について、ある放送作家は次のように分析している。
「まずひとつめの理由は、報道前までのベッキーさんのパブリックイメージと、実際の行動との間にあまりに大きなギャップがあったことです。彼女は当時、クリーンで健康的、スキャンダルとは無縁というイメージで、特に女性や主婦層からの支持が非常に厚かった。それが、既婚者との不倫関係、さらに謝罪会見での釈明の後に『友達で押し通す予定』などと川谷さんと交わしたLINEメッセージが報じられたことで、“不誠実”というイメージが強く視聴者の間に根付いてしまったのです」
さらに、復帰後の活動における「キャラ変」も視聴者の受け止め方に影響しているという。
「ふたつめは、復帰後のキャラクターの変化があまりうまくいっていない印象がある点です。かつての清楚で万人受けするイメージから一転、バラエティ番組などで毒のある発言をすることもありますが、これが以前からのファンや主婦層には響いていないようです。また、結婚して子供ができたという点は、個人の幸せとしては喜ばしいことですが、タレントのイメージとしては必ずしもプラスに働かず、特にスキャンダルを経ての『ママタレント』化には複雑な感情を抱く視聴者もいるようです」
一方で起用されやすい背景も
しかし一方で、ベッキーはバラエティ番組への出演が比較的多いタレントでもある。前出の放送作家は、その背景と批判との関連性についても触れている。
「ベッキーさんは、もともと頭の回転が速く、コメント力もあるなどバラエティ対応力が非常に高いタレントです。そのため、番組側としては企画の意図を汲み取りやすく、安心してキャスティングしやすい存在だと言えます。露出が多い分、必然的に批判の声も目につきやすくなってしまうという側面もあるでしょう」
かつての輝かしいイメージと、9年前の騒動、そして現在の活動との間で、視聴者の評価は今もなお定まっていないのが現状だ。“ゲス不倫”の呪縛から、彼女が完全に解き放たれる日はいつになるのだろうか。