日本テレビは6月25日、同日をもってグループとしての活動を終えたTOKIOが出演する人気番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の放送継続を発表した。元メンバーである城島茂(54)と松岡昌宏(48)についても、引き続き番組への出演を依頼する方針が明らかにされた。これは、メンバーの脱退や不祥事など度重なる困難に見舞われながらも、長年多くの視聴者に愛されてきた番組の今後を左右する重要な発表となる。
TOKIOのリーダーであった城島、メンバーの松岡は継続出演となる一方、国分太一(50)は番組を降板することがすでに決定している。国分を巡っては6月20日、過去に複数のコンプライアンス違反行為があったと日本テレビが公表。これを受け、同日にはSTARTO ENTERTAINMENTと株式会社TOKIOが、国分の無期限での活動休止を発表していた。
『ザ!鉄腕!DASH!!』の歴史とメンバー変遷
『ザ!鉄腕!DASH!!』は1995年に放送を開始した。当初は城島、松岡、国分、山口達也氏(53)、長瀬智也(46)の5人体制のTOKIOが中心だった。2000年からは「DASH村」企画が始まり、メンバーが農業や土木作業に挑戦するなど、その活動範囲は拡大。視聴者の支持を集め、人気番組としての地位を確立した。
しかし、2018年5月には山口氏が不祥事によりグループを脱退し、番組からも降板。さらに、2021年3月末には長瀬が芸能界を引退し、『鉄腕DASH』を離れた。
若手起用と番組スタイルの変化
近年では、TOKIOメンバーの年齢構成の変化もあり、城島と松岡がSTARTO社の後輩タレントたちの活動を温かく見守り、サポートするような番組スタイルへとシフトしつつあった。SixTONESの森本慎太郎など、若手メンバーの活躍も目立つようになっている。
鉄腕DASHに出演する城島茂、松岡昌宏、森本慎太郎(SixTONES)
番組継続の理由と困難さ
今回のTOKIO解散、そして城島と松岡の継続出演発表を受けて、制作会社関係者は番組の今後について言及している。「若手タレントの出演が増え、『もはやTOKIOの番組ではないのでは』という声が騒動前から聞かれていました。城島さんや松岡さんが残っても、グループが解散したことで、番組はより一層厳しい局面に立たされるでしょう」と語る。これまでの『鉄腕DASH』は、「TOKIOの番組」という前提があったからこそ、後輩タレントたちがそのもとで活動し、番組が成り立っていた側面があるからだ。
しかし、同関係者は番組終了の可能性は低いとも指摘する。「一番手っ取り早いのは番組を終えることですが、『鉄腕DASH』は単純なバラエティ番組を超え、国からも一定の評価を受けているコンテンツだからです」と続ける。東京湾の水質改善への貢献、貴重な新種生物の発見、東日本大震災で被災した福島県の風評被害対策への協力など、その活動はエンターテイメントの枠を超え、社会的・公共的な意義を持っている。このような背景から、番組を安易に終了させることは難しい状況にあると言えるだろう。
結論
TOKIOの解散という大きな節目を迎えながらも、『ザ!鉄腕!DASH!!』は城島茂と松岡昌宏を中心に、その歩みを続けることが決定した。国分太一の降板、そして「TOKIOの番組」という冠がなくなったことによる新たな課題はあるものの、長年にわたり築き上げてきた番組の社会的価値と実績は揺るぎない。今後、どのように番組のスタイルが進化し、視聴者や社会からの期待に応えていくのか、注目が集まる。
参考文献
- 日本テレビ発表
- STARTO ENTERTAINMENT・株式会社TOKIO発表
- 制作会社関係者への取材