トランプ米大統領は1日、実業家イーロン・マスク氏が手掛ける宇宙・電気自動車(EV)事業に対する連邦政府の補助金を打ち切る考えを示した。トランプ氏が肝煎りで進める大型減税をマスク氏が再び公然と批判したことに対し、「意趣返し」を図ったとみられる。
トランプ氏は1日、自身のソーシャルメディアに「歴史上、イーロンほど補助金を受けた人間はいないかもしれない。補助金がなければ、彼は店を畳んで(出身地の)南アフリカに帰っていただろう」と投稿。さらに「ロケットや衛星の打ち上げ、EV生産はもはや不要だ。巨額の資金が節約できる!」と記し、宇宙事業の「スペースX」やEVメーカーの「テスラ」に対する支援の打ち切りを示唆した。
マスク氏は、トランプ氏が4日までの成立を目指す大型減税や新年度予算を含む法案について「歳出削減が不十分だ」と公然と批判。いったん矛を収めたものの、6月下旬に再び批判を強め、法案の上院通過が迫る中でトランプ氏の怒りを買ったとみられる。【ワシントン大久保渉】