日本の政治情勢に新たな動きが見られます。近年注目を集める参政党が、地方議会選挙での連続勝利や国政政党要件の達成により、勢いを加速させています。複数の世論調査で支持率が上昇し、既存政党に迫る勢いを見せる参政党の現状について、その躍進の背景と今後の展望を探ります。この急激な台頭は「参政党バブル」とも評されており、日本の政治地図に変化をもたらす可能性が注目されています。
参政党の勢いは、まず地方選挙で顕著に現れています。6月22日に実施された東京都議会議員補欠選挙では、議席を持たなかった参政党が3議席を獲得しました。さらに、6月15日に行われた兵庫県尼崎市、愛知県西尾市、福井県あわら市の市議会議員選挙では、擁立した候補者が全てトップ当選を果たすなど、強い地盤を築きつつあります。これらの勝利により、全国の参政党地方議員の数は150人に達しました。草の根での活動が着実に成果を結んでいることを示しています。
地方での躍進に加え、参政党は国会での存在感も増しています。日本維新の会を離党した梅村みずほ参議院議員が参政党に入党したことで、「国会議員5人以上」という国政政党の要件を満たしました。これにより、政党交付金の受給資格を得るなど、党の活動資金や組織強化に繋がる大きな一歩となります。メディアへの露出も増加し、党名が広く知られる機会が増えたことも、勢い加速の要因と言えるでしょう。
各種世論調査の結果も、参政党の支持率が上昇傾向にあることを示しています。朝日新聞が6月14・15日に実施した調査では、参政党の支持率は3%となり、日本維新の会(2%)、日本共産党(2%)を上回りました。さらに、読売新聞が6月27~29日に実施した調査では、参政党の支持率は5%に達し、国民民主党(5%)と並び、立憲民主党(6%)にも肉薄しています。他のメディアの調査でも同様の傾向が見られ、その支持基盤が広がりつつあることがうかがえます。党の関係者からは、「うちの代表の名前はまだ知られていないが、党名とシンボルカラーのオレンジは浸透してきた」という手応えも聞かれます。
参政党代表の神谷宗幣氏が党首討論会で発言する様子
参政党の実質的な顔である代表の神谷宗幣氏は、2022年の参議院比例区で初当選し、国会議員となりました。それ以前は、2007年から大阪府吹田市議会議員を2期務め、地方政治での経験を積んでいます。2010年には、若手地方議員を結集する政治グループ「龍馬プロジェクト」を設立し、2022年まで会長を務めるなど、政治活動に長く携わってきました。2012年の衆議院議員選挙では、大阪13区から自由民主党公認で出馬した経験もありますが、この時は落選しています。2020年4月に参政党を結党し、事実上の代表として党勢拡大を主導し、2023年8月から正式に代表に就任しました。神谷氏の地方での経験とネットワークが、現在の党の組織拡大に貢献していると考えられます。
まとめとして、参政党の最近の躍進は、東京都議選を含む地方選挙での着実な議席獲得、梅村議員の入党による国政政党化、そして主要メディア世論調査での支持率上昇という複数の要因が重なった結果と言えます。これらの要素が相まって、参政党は日本の政治シーンにおいて無視できない存在感を急速に高めています。今後の国政選挙、特に7月3日に公示される参議院選挙に向け、全選挙区と比例区に候補者を擁立し「最低6議席確保」を目標に掲げる参政党が、この「バブル」とも言える勢いを維持し、さらに議席を伸ばせるかに注目が集まります。
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