谷原章介氏、教員不祥事巡るアニメ漫画発言で物議「短絡的」とSNSで反発

7月1日に放送されたフジテレビ系の情報番組『サン!シャイン』に出演した俳優の谷原章介氏が、教員による児童・生徒への不祥事について自身の見解を述べたところ、視聴者から強い反発を招いている。

近年、教育現場におけるわいせつ行為の報道が相次いでいる。同番組では、広島県の小学校教師が女子児童に対するわいせつ未遂で逮捕された事件や、福岡県の高校教師による女子生徒盗撮事件、さらには名古屋市の小学校教員らが児童を盗撮し、その画像をSNSグループで共有していた事件などが取り上げられ、約20分にわたって特集が組まれた。

谷原章介氏の顔写真(情報番組出演時か)教師の不祥事とアニメ漫画発言で物議谷原章介氏の顔写真(情報番組出演時か)教師の不祥事とアニメ漫画発言で物議

谷原章介氏の発言内容とその意図

特集の中で、谷原氏は「ものを作る立場の人間として言いづらいことでもあるんですけど、基本、僕は表現の自由は守られるべきだと思うんです」と前置きしつつ、持論を展開した。「ただ日本は諸外国と比べて、ロリータのような、(子どもを)性的な対象にしているような作品、アニメや漫画だったり…。ああいうものが、もともとは全然興味がなかった人に『あれ? いいかも』と思わせる機会を作っている面があるのかもしれない」と発言した。

さらに、「僕は基本、規制はしたくはない方ではあるんですが」と改めて強調しながら、「日本の、ああいう子どもを主人公にしたような性的な漫画とかアニメはちょっと多すぎるんじゃないかと思うんです」との見解を示した。この発言は、一部の創作物が性犯罪を助長する可能性を示唆するものと受け止められている。

SNS上での強い反発

谷原氏のこうした意見に対し、X(旧Twitter)上では非難が殺到する事態となった。《的外れにもほどがある》《短絡的すぎる》《アニメや漫画のせいにするな》《勝手な妄想》といった否定的な意見が多く投稿された。

批判の背景と「ブーメラン」の指摘

報道によると、こうした反発が起こる背景には、ゲームやアニメなどのサブカルチャーが犯罪を助長するという議論が古くから存在するものの、今のところ直接的な因果関係は証明されていないという点がある。とくにインターネット上では、「創作物を規制しても性犯罪の抑止効果にはならない」という見解が主流である。谷原氏自身も言及したように、これは表現や創作の自由にかかわる重要な部分であり、エビデンスのない「感想」だけで語るべきではないという指摘が出ている。

また、谷原氏の発言は「ブーメラン」になる可能性も秘めているとの指摘もある。谷原氏は、2018年に木村拓哉さんが主人公を務めたゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』で猟奇的な警官役を演じた経験がある。さらに2013年には人気アニメ『プリキュア』シリーズの劇場版『映画ドキドキ!プリキュアマナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス』でゲスト声優を務めた。こうした自身の出演作については言及せず、特定の傾向の作品だけを問題視するのは筋が通らないのではないか、という批判も出ている。

まとめ

今回の谷原氏の発言は、教員による児童・生徒への性犯罪という深刻な問題を背景に、創作物の表現の自由と社会への影響というデリケートなテーマに触れたことで大きな波紋を呼んだ。SNS上では「短絡的」といった批判が相次ぎ、過去の出演作との関連性から「ブーメラン」の指摘も出ている。報道関係者からは、実務上どうやって子供の被害を防ぐかという視点が何より重要であるにも関わらず、なぜこのような広範な議論を持ち出したのか理解しづらいという声も上がっている。谷原氏自身も娘を育てる父親であるため、感情的になってしまったのかもしれないとの推測もなされている。