【AFP=時事】南太平洋の島国フィジーのシティベニ・ランブカ首相は2日、戦略的競争が続く南太平洋地域に中国が恒久的な軍事拠点を築くことを許すべきではないと述べた。
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中国は長年にわたり太平洋諸国における影響力を強め、米国やオーストラリアといった伝統的な安全保障パートナーに挑戦してきた。
ランブカ氏は2日、訪問先のオーストラリアの記者クラブで会見し、中国が拡大する影響力を恒久的な安全保障上のプレゼンスへと転換する気配があるとの指摘について、「中国が来たいと望んだとしても、誰が歓迎するだろうか? フィジーは歓迎しない」「中国もそのことをよく理解していると思う」と語った。
さらに、南太平洋はせめぎ合う超大国の野望とは無縁な「平和の海」であるべきで、気候変動の脅威にさらされている太平洋諸国に、ひも付きの援助や開発を提供すべきではないと主張。
「太平洋で超大国同士の対立や大国間の競争が繰り広げられることを望んでいない」「中国のわが国の開発への参加が、わが国とオーストラリア、ニュージーランド、米国との関係に影響を与えるべきではない」と続けた。
中国は、ソロモン諸島やバヌアツなどの太平洋諸国で、競技場や政府庁舎、病院、道路の建設に数億ドルを投じてきた。
中国のチャーム・オフェンシブ(魅力攻勢)はすでに実を結んでいる。
キリバス、ソロモン、ナウルは近年、中国を支持し、台湾との長年にわたる外交関係を断絶した。
ソロモンは、太平洋諸国の中でも特に中国と親しい友好国と見なされている。
ソロモンは2022年に中国と秘密裏に安全保障協定を締結。いつか中国の軍事基地として利用されるのではないかという懸念が高まっている。【翻訳編集】 AFPBB News