南海トラフ地震、朝鮮半島にも重大な影響か?高層ビルへの懸念浮上

近頃日本で「2025年7月南海トラフ大地震説」が広がる中、実際に南海トラフで大規模地震が発生した場合、朝鮮半島も大きく揺れ、高層ビルが危険にさらされるなど、無視できない影響が及ぶ可能性が専門家から指摘されている。この地震が日本だけでなく周辺地域にもたらす影響について、延世大学のホン・テギョン教授が詳細を語った。

東アジアのプレート構造図。南海トラフ周辺の地震活動と関連。東アジアのプレート構造図。南海トラフ周辺の地震活動と関連。

ホン・テギョン教授の分析:朝鮮半島への影響

ホン教授は3日、ラジオ番組に出演し、「もし南海トラフでマグニチュード8.0に達する地震が起きると、1000キロメートル以内にある朝鮮半島全域の高層ビルが影響を受ける可能性がある」と指摘した。これは、今年3月にミャンマーで発生したマグニチュード7.7の地震の際、1000キロ離れたタイのバンコクで高層ビルが倒壊した事例に類似する現象が、朝鮮半島でも起こりうるという見方だ。

教授によれば、地震の規模が大きくなると発生する低周波エネルギーは、1000キロ離れても減衰しにくい性質がある。建物は高層であるほど、この低周波エネルギーに敏感に反応するという。過去の南海トラフ地震(1944年、1946年)発生当時は、韓国に現在のような高層ビルはなかったため、もしマグニチュード9.0クラスの地震が発生すれば、朝鮮半島が30センチメートル以上揺れる可能性があり、これは初めての経験となるだろうと強調した。

南海トラフ地震の現状と高い発生確率

南海トラフは、日本の東海沖から九州沖にかけて約800キロメートルに及ぶ広大な領域である。この地域では、歴史的に100年から150年の周期でマグニチュード7から8クラスの大地震が発生している。最後に発生したのは1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震である。

ホン教授は、特に東海沖や九州沖では前回の地震から100年以上が経過しており、九州沖に至っては300年近くが経過している点を挙げ、これらの地域に大きな応力が蓄積されているため、近い将来に地震が発生する可能性が高いと考えられていると説明した。教授が大学院生の頃から「今後30年以内に起きる確率が50%」と言われていたものが、現在では80%に上昇しており、これは極めて高い確率であると述べた。

近年の懸念材料:漫画予言とトカラ列島地震

近頃、日本国内で南海トラフ地震への懸念が高まっている背景には、有名漫画家たつき諒氏の著書『私が見た未来』がある。この漫画には「2025年7月5日に大地震が発生し、東日本大震災時の3倍の高さの津波が日本の南西部を襲う」という内容が含まれている。

また、先月下旬から鹿児島県のトカラ列島近海で1000回を超える群発地震が発生していることも、懸念を強める要因となっている。トカラ列島は南海トラフから数百キロメートル離れているが、ホン教授は「トカラ俗説」に言及し、プレート境界部とはいえ、短期間にマグニチュード4以上の地震がこれほど集中的に発生するのは異例であり、同地域に大きな応力が蓄積し、かつ排出されていない状態を示していると分析。これは、もともと大きな力がたまっている断層帯をさらに弱める可能性があるとの見解を示した。

結論

南海トラフでの大規模地震発生は、科学的にも高い確率で予測されており、その影響は日本国内に留まらず、朝鮮半島を含む周辺地域にも及ぶ可能性が指摘されている。特に、高層ビルが低周波エネルギーに脆弱であることから、朝鮮半島での潜在的な被害に対する専門家の懸念は大きい。近年の特定の予言や群発地震の発生が国民の不安を煽る一方で、科学的な知見に基づいた冷静な評価と、来るべき巨大地震への備えが重要である。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/90fc6e597d2671ba6c8aff3c7775904ea2ace4ad