参院選東京選挙区、選挙戦序盤の様相 ~さや氏(参政党)の「風」、山尾氏(無所属)の苦戦~

7月20日投開票の参議院議員選挙が3日公示され、17日間の選挙戦が幕を開けた。特に注目される選挙区の一つである東京選挙区(改選数6、欠員分1、計7議席)には、32人が立候補し激しい争いを繰り広げている。報道各社の情勢調査では、都議選での躍進も記憶に新しい参政党から立候補したさや氏(42)が「善戦」と伝えられる一方、急転直下で無所属での立候補となった山尾志桜里氏(50)は「苦戦」が報じられており、両者の選挙戦序盤の様相が対照的だ。

東京選挙区の情勢と注目候補

今回の参院選東京選挙区は、改選される6議席に加えて欠員1議席が加わり、合計7議席を争う構図となっている。多数の候補者が乱立する中、既存政党の候補に加え、新興勢力や知名度の高い無所属候補の動向が注目されている。そうした中で、特に参政党のさや氏と無所属の山尾志桜里氏の状況が対照的に報じられている点が、選挙戦序盤の特徴として挙げられる。

参政党・さや氏が語る「風」の実感

参政党から東京選挙区に立候補したさや氏(42)は、公示後、都内の様々な場所で街頭演説を行っている。例えば、7月4日には猛暑の中、谷中銀座商店街を練り歩き、聴衆に「新しい党です」「自民党が嫌だなと思ったらぜひ、参政党にお願いします」などと支持を呼びかけた。

陣営は「平仮名2文字で、さやでございます。ぜひ握手してください」「1、2、参政党です。ぜひ握手してください」と有権者に積極的に語りかけ、さや氏自身も街頭演説で「参政党に今、大きな風が吹いております。都議会選挙で3名の都議会議員が輩出しました。地方議員は150名以上です。国会議員は5名誕生しております。みなさん、この勢いに乗って、しっかりとした経済政策を果たせる参政党に力を貸してください」と訴えた。商店街での反応は概ね好意的で、「日本人ファーストか、そうだな」と言って握手をする男性も見られたという。

演説後にさや氏は、「握手を求めてくださる方が本当に増えたなと思います。風は感じていますね」と手応えを語った。

参院選東京選挙区に出馬する参政党のさや氏。選挙戦序盤で「風を感じる」と語る様子参院選東京選挙区に出馬する参政党のさや氏。選挙戦序盤で「風を感じる」と語る様子

さや氏の現状認識と「国民目線」の訴え

さや氏は、政権与党である自民党について、「私の実感では、ほとんどの国民が自民党のやっている政策に関して満足していないと思います。今の生活が苦しいと感じている方たちが、自民党を選び続けることはおそらくない」と厳しい見方を示す。また、前回の参院選東京選挙区で投票率が56.55%に留まり、5割近くが投票権を行使しなかったことにも触れ、「そもそも選挙に参加したくないというような理由で、5割が投票権を無駄にしています。失望している人の受け皿になれるのは、国民目線の私たちだけ」と述べ、参政党が既存政治に失望した人々の選択肢となりうると強調した。

政治の世界に入る前はシンガー・ソングライターとして活動し、「ラブ&ピース」やジョン・レノンの「イマジン」の世界観に共鳴し、国境をなくすといった考えを持っていたというさや氏。「戦争を防ぎたいとか戦争のない世の中にしたいというのは、今も変わっていない」としつつも、「その選択肢としていろんな可能性がある。今は日本がすべきことというのは、自国で自国を守れる態勢を作るべきじゃないかというふうに考え方が変わっていった」と、自身の政治思想の変化を説明した。

一方、苦戦が伝えられる山尾氏

対照的に、元衆議院議員で無所属として立候補した山尾志桜里氏(50)は、報道各社の情勢調査で「苦戦」が伝えられている。かつて民進党などで要職を務め、国政での実績を持つ山尾氏だが、今回は無所属という立場で東京選挙区の厳しい戦いに挑んでいる。

まとめ

参議院選挙東京選挙区の選挙戦は始まったばかりだが、参政党のさや氏が「風」を感じるという手応えを掴んでいる一方、無所属の山尾志桜里氏は苦戦が報じられるなど、候補者によって情勢は様々だ。有権者の「失望している人の受け皿」を目指すさや氏のような候補が、今後の選挙戦でどれだけ支持を広げられるか、また山尾氏が情勢を挽回できるかなど、東京選挙区の行方は依然として予断を許さない状況にある。

参照元

参院選東京選挙区、さや氏「風感じてます」、山尾氏「苦戦」報道の選挙戦序盤(AERA dot.)