40年前の日航ジャンボ機事故で亡くなった宝塚歌劇団の同期生を悼むため、俳優の黒木瞳さん(64)が12日、事故現場である御巣鷹の尾根を初めて登った。
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午前8時、黒木さんは一人ひとりの墓標を見つめたり、尾根の下を眺めたりしながら一歩、また一歩と山に登った。
標高1500メートル超の尾根に立つ「昇魂之碑」前では鐘を鳴らし、空の安全や事故を風化させない思いを込め、事故で犠牲となった520人を悼んだ。
事故で亡くなった北原遥子さん(本名・吉田由美子さん)は同じ宝塚音楽学校の第67期だった。歌劇団時代を含む6年間は濃い日々だった。
早朝のレッスンのために一緒に寮から学校に通った。寂しがり屋の北原さんが寮から見える飛行機に向かって「お母さん」と叫んでいたのも覚えている。事故の日にも電話で「公演が終わったら会おうね」と約束したが、事故でかなわなかった。
朝日新聞社