自民党の高市早苗前経済安全保障相は12日、X(旧ツイッター)を更新。元大阪府知事・市長の弁護士、橋下徹氏による自身への発言報道に対し、強く反論しました。橋下氏がテレビ番組で自民党の「分裂」を提唱し、高市氏に離党を促す見解を示したことに対し、高市氏は党への揺るぎない忠誠心を示し、その主張を明確に否定しています。
橋下徹氏の「自民党分裂論」
橋下氏は10日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」で、「自民党が割れるのは僕は大賛成。保守なのかリベラルなのかごちゃごちゃになっている」と報じられました。さらに、「高市さんが本当に覚悟をもって出られるか」「中国に対してとかマッチョなこと言うけれども、ここでそれだけの勇気と覚悟があるなら、自民党から同じ思想の人を引き連れて、参政党なのか日本保守なのか、そっちとグループ組めばいいんだけど、高市さんはやんない」と述べたとされます。
自民党の高市早苗氏が、橋下徹氏の発言に対する反論をXで表明した際の様子。2024年10月撮影。
高市氏、離党促す発言を否定
この橋下氏の発言に対し、高市氏はXで「勿論、『やんない』です!」と即座に反論。「いわゆるバリバリの『親中派』以外は自民党を出ていけ…と言われているに等しい」と解釈し、自民党を離れる考えを明確に否定。党内の多様な意見排除への抵抗を示しました。
自民党への長年の貢献と忠誠
高市氏は、約29年間自民党の支部長として地元で党員拡大や地域組織作りに尽力。ここ数年は全国会議員の中で新規党員の入党紹介数がトップクラスであり、多くの共感者が自民党を支えていると強調しました。また、政権復帰した平成24年衆議院選挙時は広報本部長を務め、「日本を、取り戻す。」をキャッチコピーに戦いました。その後、政調会長として衆参3回の国政選挙で自民党公約をまとめ、「常に進歩を目指す保守政党」という自民党「綱領」に基づき勝利を収めたと説明しています。
党の現状認識と今後の決意
橋下氏の「自民党は保守とリベラルでごちゃごちゃだから割れるべきだ」という主張に対し、高市氏は「私は思いません」と明確に異を唱えました。昨年の衆院選、今年7月の参院選で自民党が衆参で少数与党に転落したことについて、「国民の皆様の厳しい審判を、真摯に受け止めています」と反省。その上で、「自民党の原点を見つめ直しつつ、国民の命と暮らしを守り、力強く経済成長を続ける日本と強靭な国土を次世代に贈るべく、自民党の中でしっかりと働いてまいります」と決意を表明しました。
結論
高市早苗氏の一連の反論は、自民党内で自身の政治理念を実現しようとする強い意思と、党への深い忠誠心を示します。彼女は橋下氏の党分裂論を退け、党「綱領」に基づいた「常に進歩を目指す保守政党」としての自民党のあり方を堅持する姿勢を明確にしました。この姿勢は、日本の政治状況、特に自民党内の多様なイデオロギーと今後の党の方向性を巡る議論において重要な一石を投じるでしょう。
参考文献
情報源:Yahoo!ニュース