台風19号で発生した災害ごみをめぐり、栃木県が処理方針を決めた。まず、住宅密集地や学校、病院などに近い仮置き場13カ所からの搬出を年内に済ませる方針。搬出後のごみは県内での処理を基本とし、1年以内の完了を目指す。
発生した災害ごみは県内13市町36カ所の仮置き場に集められているが、搬出に時間がかかれば悪臭や火災の発生などが懸念される。そのため県は、生活に身近な場所にある仮置き場からまず搬出を始める。
搬出したごみの処理は、原則として各市町が担う。処理の際は分別の徹底や再資源化・減量化を図る。
災害ごみの発生量について、県は19市町で計10万トン余り(11月15日時点)と推計していたが、台風被害が甚大だった栃木市が同月末、推計量を当初の2万1千トン余りから、6万9430トンに大幅に上方修正。県全体でもその分が増える。複数の自治体で、今回の災害ごみが通常の年間ごみ排出量を上回る見込みとなっている。
県によると、11月15日時点では約9800トンが処理されている。県内での処理が困難なごみは、環境省の仲介などを受けて県外での処理も検討する。
福田富一知事は「身近な場所の災害ごみを、年内に見えない場所へ遠ざける。発災1年以内を目標に処理を進めたい」としている。