「良い大学に入れば人生は安泰」という考えは今や少数派です。近年、名門校出身でも早期離職やキャリア停滞に悩む若手が増えています。そこで注目されるのが、学歴取得後の人生全体の幸福度を考える「学歴の予後」という概念です。この視点は至極真っ当と言えます。学歴活動家のじゅそうけん氏が提唱するこの概念から、キャリアの現実を探ります。
学歴活動家じゅそうけん氏の肖像:「学歴の予後」からキャリアと人生を考える
高学歴でも「予後不良」?変化するキャリアと就職・転職事情
近年、キャリアの多様化が進み、従来の「士業か大手企業に入れば安泰」という状況は変わりつつあります。終身雇用制度は崩壊に近づき、特にコロナ禍以降、転職市場はさらに活性化。猫も杓子も転職を検討する時代となりました。
待遇だけでなく、「リモートワークの比重をもう少し高くしたい」といった、かつては考えられなかった理由での転職も現実に行われています。
実際に私の世代は、終身雇用の恩恵を受けた両親の教育方針の影響を強く受け、新卒就活ではいわゆる「聞いたことのある大手企業」を中心に受ける人が多かったのが実情です。
しかし、アラサーにもなってくると、それが必ずしも正解ではなかったと思い知らされます。周囲には転職(ジョブホップ)を繰り返している知り合いも少なくありませんが、悲しいことに、必ずしも皆ステップアップできているわけではないようです。
転職が当たり前になったことで、むしろ30歳以降、人生の幸福度が低い、いわば「予後不良」とでも言うべき状態に陥っている高学歴な若手社会人が目立ち始めたのです。
本稿では、「学歴の予後」という視点から、現代のキャリアを取り巻く課題、特に高学歴な若手社会人に見られる「予後不良」の現実について考察しました。良い大学に入ることだけでなく、その後の人生全体の幸福度を見据えた進路・キャリア形成の重要性が高まっています。