静岡県伊東市の田久保真紀市長は学歴詐称疑惑を受け、2025年7月7日に緊急記者会見を開き、市長職を辞任する意向を表明しました。同時に、出直し市長選挙への立候補も明らかにしましたが、この会見時に着用していた服装が物議を醸し、広範な批判にさらされています。
辞任の背景と会見の服装
田久保市長は今年5月の市長選で初当選しましたが、「東洋大学法学部経営法学科卒業」としていた学歴が実際には卒業ではなく「除籍」であったことが、匿名の告発文書により判明しました。これを受け、市議会では7日午前に全会一致で辞職勧告決議が可決されていました。
特に市民やメディアの注目を集め、批判の的となったのは、辞意表明の記者会見で身につけていた鮮やかなピンク色のジャケットです。「辞任と謝罪の場にふさわしくない」との声が多数上がりました。
伊東市長 田久保真紀氏、学歴詐称疑惑による辞意表明記者会見の様子
さらに、翌8日の登庁時には、紫色のリュックサック、薄紫がかったガーリーなハンドバッグ、そして手にマクドナルドの紙袋を持つという、さらに個性的な姿が見られました。
「推し活」の影響と批判
こうした特徴的なファッションの背景には、田久保市長の根強い「オタク気質」と「推し活」があると報じられています。市長は自身のSNSで、人気ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」のキャラクターである「一ノ瀬トキヤ」を10年以上「推している」ことを公言。キャラクターの誕生日を祝うケーキの写真や、議員控室のデスクに多数のグッズを飾った様子などを頻繁に投稿しており、「初期の頃のグッズや歴代のイベントグッズが歴戦のオタクぶりをよく表しているなぁ」と自らを「オタク」と表現していました。
市長選でのイメージカラーが紫であったことや、問題視された会見時のピンクジャケットが商品情報で「ライラック」と表記されていることから、これらの色が「推しカラー」を意識したものではないかとの推測も出ています。
公的な立場での辞任や謝罪という重要な場面において、個人の「推し活」を強く感じさせるような服装や態度に対し、インターネット上では「市民を愚弄しているのか」「謝罪する気があるのか」「公私の区別がつかないのか」といった厳しい意見が殺到しています。「前回の市長選の費用を返還すべきだ」という声も見られます。
結論:信頼回復に向けたTPOの重要性
個人の自由である「推し活」自体は尊重されるべきですが、市長という市民全体の代表である公職者が、信頼回復を図るべき場において求められるのは、状況に応じた適切な言動や装いです。TPO(時・場所・場合)をわきまえた振る舞いが不可欠であるとの指摘が、多くの市民やメディアから上がっており、今後の市長の動向と共に注視されています。