NHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合、月~土午前8時ほか)の第88回が7月30日に放送され、主要キャラクターである嵩(北村匠海さん)がのぶ(今田美桜さん)にプロポーズする場面が描かれ、その感動的な展開に多くの視聴者から反響が寄せられています。SNS上では「号泣した」「最高かよ」「震えた」といった声が相次ぎ、二人の関係性の進展に熱い注目が集まっています。
連続テレビ小説「あんぱん」第88回でのぶ(今田美桜)にプロポーズする嵩(北村匠海)の感動的な一場面
嵩の就職とプロポーズへの伏線
物語は、三星百貨店の宣伝部に就職した嵩が、複雑な表情を浮かべるのぶに対し、「どんなに忙しくても、マンガは描くから」と約束し、彼女を安心させるところから展開します。この言葉は、のぶの夢と嵩の新たな生活への配慮を示すものでした。
その後、職場の同僚の紹介で中目黒にある長屋の一部屋を借りられることになった嵩は、のぶに「大事な話があって……」と切り出そうとします。しかし、そこにのぶの母・登美子(松嶋菜々子さん)が突然現れ、嵩とのぶの結婚式の引き出物の話を持ちかけます。二人の微妙な反応から、登美子は嵩がまだプロポーズをしていないことに気づき、「まさか……まだ?」と驚きを隠せません。
次郎と千尋への思い、そして嵩の決意
のぶが、嵩が亡き夫・次郎(中島歩さん)に遠慮しているのだと思うと話すと、嵩は「のぶちゃんも……僕がここに来てから、次郎さんの写真……ずっとしまったままだから」と心情を吐露します。嵩は、のぶが次郎を深く愛し結婚していたことを知った上で、むしろ以前よりもっとのぶを好きになったと告白。そして、「だから気兼ねしないで次郎さんの写真を堂々と飾ってほしい」と頼みました。
さらに嵩は、「もう一つ……。のぶちゃんに言えなかったことがある」と切り出し、戦死した親友・千尋(中沢元紀さん)ものぶのことが好きだったことを明かします。千尋ののぶへの強い思いを知り、なかなか告白できなかった嵩ですが、その背中を蘭子(河合優実さん)が押してくれたことをのぶに伝えます。この告白の後、嵩は登美子に「母さん……今日だけでも二人きりにしてほしい。ごめん」と頭を下げ、部屋から退出を促しました。
嵩からのひたむきな愛の告白
二人きりになった部屋で、嵩はのぶとまっすぐ向き合い、これまでの思いを率直に伝え始めます。
「のぶちゃん。僕は……いろいろな人に背中を押されて今があって……。勇気が生まれて……。情けないけど、僕一人ではのぶちゃんに気持ちを伝えることはできなかったと思う。でもね……。僕は、誰よりものぶちゃんの強い部分も弱い部分も知ってる。誰にも見せない涙も知ってる。みんなを助けたいっていう愛情も知ってる。まっすぐな正義感も。全部……全部好きだから。だから、僕から言わなくちゃいけないことがある。のぶちゃん……。いつもまっすぐ、ひたむきに走るのぶちゃんのこと、子供の頃から、ずっと愛しています。千尋の分も、次郎さんの分も……。僕が幸せにします。結婚してください」
この嵩のひたむきで誠実なプロポーズの言葉は、これまでの二人の歩み、そして周囲の人々の思いが詰まったものであり、多くの視聴者の心を強く揺さぶりました。
結びに
今回の「あんぱん」第88回で描かれた嵩からのプロポーズは、単なる結婚の申し込みに留まらず、のぶと嵩、そして彼らを取り巻く人々の複雑な感情と絆が凝縮された感動的な瞬間となりました。次郎や千尋への配慮、そして何よりも幼い頃からののぶへの変わらぬ愛情が込められた嵩の言葉は、今後の二人の関係、そして物語の展開に大きな期待を抱かせます。視聴者の心に深く刻まれたこのプロポーズは、「あんぱん」という作品が描き出す人間ドラマの奥深さを改めて示すものでした。
参考文献: