東京都議選での自民大敗、参院選の与党過半数維持に暗雲 石破政権の行方

東京都議会議員選挙(6月22日投開票)での自由民主党の歴史的大敗は、間近に控える参議院議員選挙(7月3日公示―20日投開票)に向けて石破茂政権の行方に暗雲を漂わせています。石破首相(自民党総裁)は、国会閉幕後の会見で、今回の参院選の「勝敗ライン」を与党(自民・公明)で参議院の過半数(125議席)を維持することに設定していると表明しました。与党の非改選75議席(自民62、公明13)と合わせ、改選される125議席のうち両党で50議席以上を獲得する必要がある計算となり、これは改選議席の過半数である63議席を下回る目標設定です。

参院選と政局を巡る日本記者クラブ党首討論会に臨む石破茂首相(右)と立憲民主党の野田佳彦代表参院選と政局を巡る日本記者クラブ党首討論会に臨む石破茂首相(右)と立憲民主党の野田佳彦代表

都議選「衝撃」の結果とその詳細

参院選の前哨戦と位置付けられた都議選の結果は、与党、特に自民党にとって衝撃的なものでした。自民党は告示前の30議席から21議席に激減し、過去最低だった2017年の23議席を下回る歴史的大敗を喫しました。公明党も3人が落選し、9回連続の全員当選を逃して19議席にとどまりました。

一方、小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会は、告示前の26議席から31議席に議席を伸ばし、自民党から都議会第1党の座を奪還しました。東京都議会において、第一党は過去、その時々の国政や世論の動向に連動して変遷してきています(例: 2009年民主党、13年自民党、17年都民ファースト、21年自民党、そして今回の25年都民ファースト)。

今回の都議選(定数127)全体で見ると、都民ファースト、自民党、公明党という小池知事与党とされる3党で合計71議席を獲得し、都議会としては過半数を維持した形です。読売新聞の都議選出口調査(6月22日実施)によれば、3期目を務める小池知事への支持率は61%に上っています。

都議選における各党の議席数変動では、立憲民主党は告示前の12議席から17議席へ増加。共産党は19議席から14議席へ減少しました。注目すべきは、議席ゼロだった国民民主党が9議席、参政党が3議席を獲得し躍進した点です。対照的に、日本維新の会、れいわ新選組、石丸伸二前広島県安芸高田市長率いる再生の道は議席ゼロに終わりました。なお、都民ファーストは参院選に候補者を擁立しない方針のため、その票がどこに流れるかも注目されています。

参院選への影響と今後の政局

この都議選の結果を受け、参院選では自民・公明両党が目標とする改選50議席を維持できるかどうかが極めて微妙な情勢となっています。都議選前の楽観論とは打って変わり、もし与党が参院選で過半数割れとなれば、石破政権は発足早々から厳しい局面を迎えることになります。

参院選の結果次第で、その先の政局は全く予断を許さない状況です。政権の連立枠拡大、石破首相による衆議院の解散、あるいは自公両党が下野し野党が政権を担う可能性など、様々なシナリオが考えられます。

結論

東京都議会議員選挙での自民党の大敗は、来る参議院議員選挙での与党(自民・公明)による過半数維持目標達成をより困難にする現実を突きつけました。石破政権は、都議選の結果が示す国民感情や政治情勢の変化を真摯に受け止め、参院選でいかに国民の支持を得るかが問われています。参院選の結果は、石破政権の今後だけでなく、日本の政治全体に大きな影響を与える可能性が高く、今後の政局の動向が注視されます。

出典: Yahoo!ニュース (PRESIDENT Online掲載) より作成