「たつき諒予言」外れるも5600億円損失?7月5日「大災難」騒動の波紋

漫画家たつき諒氏の著書「私が見た未来・完全版」に記された「7月5日の大災難」予言は、何事もなく過ぎ去りました。しかし、このたつき諒予言に端を発した社会的な騒動は、日本全国に不安を広げ、経済や観光業界に大きな波紋を投げかけました。本記事では、7月5日の”非出来事”とその後の様々な影響について詳しく見ていきます。

予言騒動が引き起こした社会現象と経済的損失

「7月5日の大災難」予言は、不安を煽り、社会現象にまで発展しました。特に、海外、中でも中国や香港のSNS「微博(Weibo)」では「日本の終末予言」がトレンド入りし、日本の観光への影響が懸念されました。

結果として、中国・香港からの観光客が激減。これに伴い、香港航空は仙台~香港間の便を10月末まで運休するという事態に追い込まれました。また、他のLCC各社も運賃を大幅に値下げし、成田~香港間の片道料金が4100円という、東京~大阪間の新幹線運賃並みの異常な価格にまで落ち込みました。

たつき諒氏の予言漫画「私が見た未来・完全版」の書影。7月5日の「大災難」騒動の火種となった一冊。たつき諒氏の予言漫画「私が見た未来・完全版」の書影。7月5日の「大災難」騒動の火種となった一冊。

こうしたインバウンド消費の急減による日本経済への損失は、およそ5600億円にものぼるという試算も出ています。「たかが一冊の本」が、これほどまでに国を揺るがす経済的影響をもたらしたのです。

社会的な不安は、予言された時刻とされる7月5日午前4時18分にピークを迎えました。この時間に何か起きるのではないかと身構える人が多く、日本各地の地震情報を24時間配信するあるYouTubeライブ配信には、同時刻に約22万人もの視聴者が押し寄せました。多くの人々が、根拠のない予言にリアルタイムで反応していたことが伺えます。

騒動に対する各界からの反応

今回の騒動に対し、各界からも様々な反応が見られました。お笑いコンビ・霜降り明星の粗品氏は、予言をネタに貯金をギャンブルに全額投じて大損したことをYouTubeで配信。「お前がなんか“日本が終わる”みたいなん言うから、土曜日に全部競馬で使ったよ」「金返せや、ボケ!」と嘆き、彼らしい方法で外れた予言をコンテンツ化しました。

一方で、より厳しい視点から騒動を批判したのがタレントの有吉弘行氏です。7月6日のラジオ番組で、「インチキが広まってましたけど、案の定なにもなかったということで」と騒動を振り返りつつ、「どのツラ下げてんだ。わび入れに来いよ」と、予言の発信者に対して強い不快感をあらわにしました。また、たつき氏が過去の東日本大震災を的中させたとされる点についても、「そいつをずっと追いかけてたって、もう当たらないから、そんなもん。いいかげんにしてほしいね、ほんとに」と述べ、予言に振り回された人々をも含め、一連の動きを強く非難しました。

まとめ

漫画家たつき諒氏の著書に端を発した7月5日の「大災難」予言は現実のものとはなりませんでしたが、その騒動は社会的な不安を広げ、観光業を中心に約5600億円もの経済的損失をもたらすなど、無視できない影響を残しました。有名人を含む多くの人々がこの騒動に反応し、その波紋はしばらく続きそうです。根拠のない情報が、いかにして現実世界の経済や人々の行動に影響を与えるのかを示す事例となりました。

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