2025年夏の国家公務員ボーナス(期末・勤勉手当)は、内閣官房内閣人事局の発表によると、管理職を除く平均が約70万6700円となり、前年比約7.2%増となりました。こうしたニュースに接すると、「公務員は高待遇」との印象を持つ方もいるかもしれません。では、退職金の実態はどうでしょうか?内閣官房内閣人事局のデータに基づき、国家公務員の退職金平均額を詳しく解説します。
国家公務員の退職金平均額:退職理由別の違い
内閣官房内閣人事局が公表する「退職手当の支給状況」によると、国家公務員(常勤職員)の退職金平均額は退職理由によって大きく異なります。
- 定年退職: 2147万3000円
- 応募認定退職: 2492万7000円
- 自己都合退職: 303万9000円
応募認定退職が高額なのは、早期退職募集制度を利用した場合の手当が含まれるためです。一方、最も一般的な定年退職でも、平均額は2000万円を超える水準となっています。行政職俸給表(一)適用者についても、定年退職は約2122万円、応募認定退職は約2249万円、自己都合退職は約316万円となっています。
国家公務員の退職金平均額を示す、積み重ねられた日本円の札束イメージ
勤続年数が退職金額に与える影響:詳細データ
退職金額は勤続年数に強く連動します。内閣官房内閣人事局のデータによると、定年退職した常勤職員の勤続年数別平均支給額は以下の通りです。
- 5年未満: 246万6000円
- 5年〜9年: 492万6000円
- 10年〜14年: 854万9000円
- 15年〜19年: 1184万7000円
- 20年〜24年: 1257万5000円
- 25年〜29年: 1599万3000円
- 30年〜34年: 2001万7000円
- 35年〜39年: 2389万3000円
- 40年以上: 2311万6000円
また、行政職俸給表(一)適用者の定年退職時の勤続年数別平均支給額は以下の通りです。
- 5年未満: 143万2000円
- 5年〜9年: 366万5000円
- 10年〜14年: 675万4000円
- 15年〜19年: x
- 20年〜24年: 1504万8000円
- 25年〜29年: x
- 30年〜34年: 2075万円
- 35年〜39年: 2209万9000円
- 40年以上: 2167万4000円
このデータが示す通り、勤続30年を超えると平均支給額が2000万円を上回ることが分かります。勤続年数が短い場合の退職金は、平均額よりもかなり低くなります。
まとめ
国家公務員の退職金平均額は、定年退職の場合2000万円を超える水準にありますが、これは勤続年数30年以上の職員が平均値を引き上げている側面が強いと言えます。公務員の退職金制度は確かに手厚い部分もありますが、「平均2000万円超」という数字だけを見て判断するのではなく、退職理由や勤続年数による違いを理解することが重要です。
参照: 内閣官房内閣人事局「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」, 内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」