新潟市西区で小学2年の女児=当時(7)=が殺害された事件の裁判員裁判で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた小林遼被告(25)に新潟地裁(山崎威裁判長)が4日、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。検察側が「まれにみる悪逆非道な犯行」と死刑を求刑したのに対し、弁護側は「傷害致死罪にあたり、長くても懲役10年」と主張していた。
起訴状によると、小林被告は昨年5月7日、新潟市西区の路上で、女児に軽乗用車をぶつけて車に乗せ、駐車場に止めた車内でわいせつな行為をした上、首を絞め殺害、遺体をJR越後線の線路に放置し列車にひかせて損壊するなどしたとしている。
これまでの公判では、殺意の有無や強制わいせつ致死罪の成否が主な争点となった。検察側は「女児の首を5分以上絞めた」という小林被告の捜査段階の供述や解剖医の証言などで追及。「自分の性的欲望を優先し、被害者を物としてしか見ていない」と非難した。
一方、弁護側は「6、7割の力で絞めた」「気絶させようとしただけだ」と反論。計画性はなく、精神的な障害の影響も考えられるなどとして傷害致死罪の適用を求めていた。
小林被告本人は、犯行を認めた捜査段階の供述を翻し、「事件をほとんど覚えていない」「取調官に話を合わせた」と繰り返していた。
小林被告は殺人と強制わいせつ致死のほかに、死体遺棄や死体損壊、わいせつ目的略取など計7つの罪で起訴された。この公判では、犠牲者が1人の殺人事件で極刑が判断されるかどうかが注目されていた。