老いるショック:政治家も実感?50代の体力の壁

自分が50代になったことに驚きを隠せない。しかし、「老い」は受け入れることでしか乗り越えられないのだろうか。いくつもの「老いるショック」を経験し、人は成長していくのかもしれない。世の中を見渡せば、「老いるショック」は様々な形で現れている。政治の世界でも例外ではない。

政治の場で浮き彫りになる「老いるショック」

最近の政治ニュースにも「老いるショック」を感じさせる一幕があった。国民民主党の玉木雄一郎代表が長時間労働を容認するような発言をし、これに対し連合の芳野友子会長が苦言を呈した毎日新聞の記事(5月15日配信)だ。

記事によると、玉木氏は4月29日のネット番組で「働きがい改革」の必要性を主張し、残業規制についても言及した。「自分自身そうだったけど20代のころ、徹夜しろとは言わないけど、徹夜してもいいと思っているんですよね」と述べた上で、「20代の人と50代の人の残業規制は、健康度合いも違うから違ってもいいかなと思っている」と語ったという。

玉木氏が「50代の健康度合い」に触れた時、筆者自身も同じような感覚を抱いた。調べてみると、玉木氏は56歳で筆者と同い年だった。政治的な考え方の違いを超えて、他者が「老いるショック」を感じていることに不思議と親近感が湧く。

自身の体で知る「老いるショック」

筆者もつい先日、20代の頃との健康状態の大きな違いを痛感した出来事があった。締め切りの迫った仕事で、徹夜とまではいかなくとも未明まで原稿を書き続けた時のことだ。20代の頃なら数時間の仮眠で回復できたはずが、今回は身体へのダメージが予想以上に大きく、数日間、頭痛やだるさが続いた。20代の頃は週に2回の泊まり勤務もこなせていたのに、ここまで体力が衰えたのかと自分でも驚いた。

加齢に伴う体力の変化や「老いるショック」について考える様子加齢に伴う体力の変化や「老いるショック」について考える様子

じつは、40代の頃にも一度「老いるショック」を感じている。それまでずっと視力2.0だった目が急に衰え、近くも遠くも見えにくくなり、遠近両用眼鏡なしでは生活に支障が出るようになった時だ。そう考えると、今回の経験は「第2次老いるショック」と言えるのかもしれない。

「老いるショック」とは何か?

「老いるショック」という言葉の命名の妙を、自身の経験を通して今さらながら実感している。この言葉は、「ゆるキャラ」や「マイブーム」などの言葉を生み出したイラストレーター、みうらじゅん氏の造語だ。「通販生活」が設立した「老いるショック認定委員会」で、みうら氏は「老いるショック」について説明している。

自分だけでなく、政治家のような公の立場にある人物でさえ口にするほど、「老いるショック」は多くの人が経験する普遍的な現象と言えるだろう。体力の衰えや身体の変化は避けられない加齢の一側面であり、それぞれの「老いるショック」を受け入れ、向き合っていくことが、人生の次の段階へと進む上での鍵となるのかもしれない。

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