韓国済州島・牛島ビーチに中国国旗が一時設置され物議、観光客増加と基礎秩序問題

韓国の済州島牛島にあるビーチで、中国の国旗である五星紅旗が一時的に設置され、その後撤去されるという出来事が発生し、物議を醸しています。この騒動は、近年急増する外国人観光客、特に中国人観光客の増加に伴う基礎秩序違反の問題と関連して注目されています。

中国国旗の設置とソーシャル・メディアでの拡散

発端となったのは、7月13日にSNS上で拡散された動画です。この動画は8日昼過ぎに済州島牛島の海水浴場で観光客が撮影したもので、海岸道路に沿って韓国の国旗である太極旗と並んで、数本の五星紅旗が地面に固定されて立てられている様子が映し出されていました。

動画を撮影したAさんは、「独島は韓国の領地だと叫んでいるのに、牛島は中国に差し出すようだ」と懸念を表明しました。Aさんは、なぜ旗をすぐに撤去しなかったのかという質問に対し、「中国人観光客がこの前で写真を撮ろうと列をなしており、とても抜くことができなかった」と説明しています。

中国国旗設置騒動が発生した済州島牛島の風景写真中国国旗設置騒動が発生した済州島牛島の風景写真

動画を見た多くの人々は、「済州はいつから中国人の島になったのか」「何の制裁もないからこのようなことが起きるのだ」「信じられない場面」といった批判的なコメントをSNS上に投稿しました。一部の市民は、この件について地方自治体に苦情を伝えました。

当局の対応と旗の撤去

牛島面の関係者があるメディアに語ったところによると、設置された五星紅旗は個人が設置したものとみられるとのことです。SNSで動画が投稿されるまでは管轄部署はこの状況を把握していませんでした。

関係者が現場を確認した際には、すでに中国国旗はすべて撤去されていたことが確認されました。海水浴場の安全要員の証言によると、集まった人々が旗を回収して持ち去ったということです。

済州島を訪れる外国人観光客の現状

今回の騒動の背景には、済州島を訪れる外国人観光客の急増があります。済州道観光協会によると、昨年済州を訪れた外国人観光客は190万7608人に達し、新型コロナウイルス禍以前の2019年以降、5年ぶりに年間100万人を超えました。このうち中国人観光客は130万4359人で、外国人観光客全体の68.4%を占めています。

外国人観光客の増加は地域経済に寄与する一方で、基礎秩序に関する問題も繰り返し指摘されています。済州警察庁が3月下旬から6月末まで実施した「外国人犯罪対応特別治安対策」では、違反横断、無断投棄、路上での放尿といった基礎秩序違反の摘発件数が合計で4806件に上りました。

今回の牛島での中国国旗設置騒動は、外国人観光客の受け入れ拡大と、それに伴う文化摩擦や秩序維持の課題という、済州島が直面する問題の一端を示しています。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/1d5ef227020b01332de6bae59f2dc48d14dd923e