間近に迫る参院選(20日投開票)を巡り、各報道機関が発表する情勢調査が注目を集めています。政治ジャーナリストの田崎史郎氏がTBSの情報番組「ひるおび」に出演し、これらの調査の特性と、自身の信頼するメディアについて見解を述べました。与党が過半数維持に苦戦するとの見方が強まる中、田崎氏の指摘は選挙情勢の理解を深める上で重要な示唆を与えています。
「ひるおび」が放送されるTBSの社屋。参院選情勢調査に関する議論が行われた場所。
読売新聞の報道と与党の厳しい情勢
番組では、読売新聞社が12日から15日にかけ実施した電話とインターネットによる調査結果が伝えられました。全国の総支局などからの取材情報も加味されたこの終盤情勢では、自民党と公明党の与党が、非改選議席を含めた参院の過半数(125議席)維持が厳しい状況にあると報じられています。これは、選挙戦が終盤に差し掛かる中で、与党にとって厳しい戦いを示唆するものです。
田崎史郎氏が指摘する「調査の補正」の重要性
田崎氏は、マスコミ各社による選挙情勢調査と一般的な世論調査との違いを強調しました。世論調査が「生の数字」を出すのに対し、選挙の情勢調査は、調査結果に「補正」を加えて公表されると説明。この「補正値」が各社で異なるため、調査結果に差が生じるとの見方を示しました。そして、自身の経験から「僕は朝日新聞を1番信用しているんです」と率直に語り、MCの恵俊彰を驚かせました。
朝日新聞を信頼する理由:過去の衆院選事例から
田崎氏が朝日新聞の情勢調査を最も信頼する理由として、前回の衆院選の事例を挙げました。公示直後、他2紙が「自公過半数確保の見通し」と報じたのに対し、数日後に朝日新聞が「自公過半数微妙な情勢」との見方を示し、結果としてその後の流れがガラッと変わったと指摘。この経験から、朝日新聞が「ちゃんとした補正値を持っていて、きちんとした調査をやっている自信がある」と分析しました。これは、単なる数字の羅列ではなく、より深い分析に基づいた情報提供の価値を示唆しています。
朝日新聞の最新情勢調査も与党劣勢を示す
実際に、朝日新聞社が13日と14日に全国の有権者を対象に行った電話およびインターネットによる情勢調査でも、同様の傾向が確認されています。取材で得た情報も加えた終盤情勢では、「自民、公明の与党は序盤情勢より劣勢となり、非改選を含む定数の過半数(125議席)の維持は困難な情勢となっている」と報じられており、読売新聞の調査結果と一致する厳しい見通しが示されています。
まとめ:参院選情勢調査の深層と今後の行方
今回の参院選情勢調査を巡る田崎史郎氏の発言は、報道機関の調査方法における「補正」の重要性と、それがいかに最終的な報道に影響を与えるかを浮き彫りにしました。与党が過半数維持に苦戦するとの見方が主要メディアの調査で共通して示されており、今後の選挙戦の展開に大きな注目が集まります。有権者にとっては、こうした情勢調査の背景にある「補正」の仕組みを理解し、多角的な視点から情報を読み解くことが、より正確な選挙情勢の把握に繋がるでしょう。