TOTO「便スキャン」機能付きスマートトイレが示す家庭健康管理の新時代

TOTOが2025年8月に発売する家庭向け便器は、排泄物の状態を計測し、専用のスマートフォンアプリで日々の健康状態を管理できる画期的な「便スキャン」機能を搭載しています。これは国内初となる試みで、健康への関心が高い現代の消費者ニーズに応えるTOTOの新たな戦略の一環として注目されています。

「便スキャン」機能の仕組みと詳細な計測項目

この新しいTOTOスマートトイレは、便器内の温水洗浄ノズルの隣に高精度な読み取り機を設置。バーコードの読み取りと同じ原理で、排泄物に光を当てて詳細な計測を行います。ユーザーが便座に座ると読み取り端末のふたが自動で開き、計測後にはデータが専用アプリへ自動送信される仕組みです。

計測されるデータは多岐にわたります。排泄物の形状や硬さは、粒状、バナナ状、液状、表面のごつごつ具合など7つのカテゴリに分類されます。さらに、色も黄土系、茶系、こげ茶系の3色に分けられ、量も多、中、少の3段階で記録されます。これらの情報はすべてアプリ上でカレンダー形式で表示され、日々の排泄回数や状態を一目で確認できるほか、便の状況に応じた生活習慣のアドバイスも提供されるため、利用者は自身の腸内環境や健康状態をより深く理解し、改善に役立てることができます。

便の模型を計測するTOTOの「便スキャン」機能付き便器便の模型を計測するTOTOの「便スキャン」機能付き便器

健康志向の高まりに応えるTOTOの戦略的挑戦

TOTOのアンケート調査によると、排泄後に便の状態を確認する人は76%に上る一方で、それをデジタルで記録している人はわずか6%に留まっていることが判明しました。このギャップに着目し、TOTOは「健康」を新たな商品開発の軸に据えています。

1980年に温水洗浄便座「ウォシュレット」を発売して以来、清潔さ、快適さ、節水といった機能の向上に注力してきたTOTOですが、近年はユーザーのウェルネス意識の高まりを受け、家庭で手軽に健康管理ができるソリューションを提供することを目指しています。今回の「便スキャン」機能付き便器は、その象徴的な製品と言えるでしょう。この新機能は、高級機種「ネオレスト」シリーズの「LS―W」(54万2300円~)と「AS―W」(49万3900円~)に搭載され、2025年8月1日に発売予定です。TOTOは発売3年目に年間7300台の販売を目指しており、健康管理のIoT化を推進する市場で新たな地位を確立することが期待されます。

まとめ

TOTOの「便スキャン」機能付き便器は、日々の排泄物から得られる情報を活用し、家庭での健康管理をより身近で手軽にする革新的な製品です。このスマートトイレは、デジタルヘルスケア分野における新たなスタンダードを築き、多くの人々の健康意識向上に貢献することでしょう。

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