[17日 ロイター] – ギリシャの首都アテネ周辺の一部地域で、昨年7月以降に地表温度が最大10度上昇したことが、アテネ国立天文台が16日公表した調査報告書で明らかになった。ギリシャでは昨年8月、アテネ郊外に広がった山火事で1万ヘクタールが焼失し、植生が破壊された。
国立天文台は地表温度を詳細に記録できる高解像度の衛星データを基に分析した。山火事発生前の昨年7月と今年6月のデータを比較したところ、多くの地域で1─2度の温度差が見られた。この差は気象条件の自然な変動で説明できるという。
しかし、山火事の影響を受けた地域の地表温度は昨年7月と比べて最大10度上昇した。報告書は植生の喪失が地表温度上昇に大きな影響を与えたと指摘した。
また、今回測定したのは土壌の表面温度だが、地表付近の気温にも、より小幅ながらも同様の差があると想定するのが妥当だとした。
欧州連合(EU)の気象情報機関コペルニクス気候変動サービス(C3S)によると、5月の世界の地表温度は1850─1900年の水準を平均1.4度上回った。